川崎主将MF橘田健人は涙「クラブとして大きなタイトル」 昨年は無冠、今季リーグは8位で「苦しい時期もあった」
PK戦の死闘を制して優勝
第103回天皇杯全日本サッカー選手権大会は12月9日に国立競技場で決勝戦を行い、川崎フロンターレと柏レイソルによる一戦は両者無得点によるPK戦で異例の10人目までもつれ込んだ末、川崎が3大会ぶり2回目の優勝を果たした。川崎の主将MF橘田健人は涙ながらに「クラブとしても大きなタイトルになった」と語った。
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序盤から柏がハイプレスをベースに川崎陣内で試合を進め、攻撃回数を増やした。前半は0-0で折り返し、後半に入ると徐々に川崎がボールを持つ時間が生まれ始めたが、逆に柏は奪ってからの鋭いカウンターを見せる場面が増えた。スタジアムを埋めた6万2837人の歓声の中で両チームはタイトルを争い戦ったものの、90分を0-0で終えたゲームは延長戦に突入した。それでもゴールは生まれず、このまま0-0で120分を終了。前回大会決勝のヴァンフォーレ甲府対サンフレッチェ広島(1-1/PK5-4)に続き、PK戦突入となった。
コイントスの結果、川崎のサポーターが陣取るサイドのゴールで行われたPK戦では、先攻の川崎2人目のMF瀬川祐輔のキックを松本が止めたかに思われたが、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)のチェックによりキック前に松本がゴールラインより前に出たとして蹴りなおしになり、これを瀬川が決めた。後攻の柏は4人目のMF仙頭啓矢がゴールポストに当てて失敗。川崎は決めれば勝利の5人目でゴミスが登場したが、松本がコースを読んでセーブして絶体絶命のピンチを救った。そして柏5人目のFW武藤雄樹が決め、PK戦も6人目以降の決着にもつれ込んだ。
すると川崎の6人目を蹴ったDF登里享平のキックを松本が2本連続のストップ。しかし柏はDF片山瑛一がクロスバーに当てて失敗した。決着がついたのは10人目のGK対決になり、先攻の川崎はチョン・ソンリョンが決めた一方で、後攻の松本のキックをチョン・ソンリョンがセーブ。この結果、PK戦のスコア8-7で川崎が優勝し、来シーズンのAFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)への出場権も獲得した。
2年ぶりのタイトル獲得に、橘田は涙ながら「本当に最高です。チームとしてタイトルを取れたことは嬉しく思う。1年間苦しい時期もあったんですけど、こうしてみんなで優勝できて幸せです」と喜びを語った。2021年はJリーグ優勝を果たしたものの、昨年は無冠に終わり、今季リーグは8位でフィニッシュ。それでも、天皇杯優勝を果たした。「去年タイトルを取れなくて今年取ることができたので、クラブとしても大きなタイトルになったのではないかと思う。まだ(12日に)ACL(蔚山現代戦)も残っているので絶対に勝てるようにいい準備したいです」と、新たな目標に向かって意気込んだ。
(FOOTBALL ZONE編集部)