神戸、優勝決定の名古屋戦で武藤&大迫が“一喝”した訳「ズシーンと言った」 ロッカールームでの舞台裏とは?

舞台裏を明かす【写真:徳原隆元】
舞台裏を明かす【写真:徳原隆元】

武藤、山口、酒井が「Atsuto Uchida’s FOOTBALL TIME」に出演

 Jリーグで初優勝を果たしたヴィッセル神戸のFW武藤嘉紀、MF山口蛍、DF酒井高徳の3選手が、元日本代表DF内田篤人氏がホストを務めるスポーツチャンネル「DAZN」の番組「Atsuto Uchida’s FOOTBALL TIME」に出演して、リーグ優勝の舞台裏を語った。

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 今シーズンのJ1で勝ち点71を挙げた神戸は、第33節の名古屋グランパス戦に2-1で勝利して、歓喜の瞬間を迎えた。この試合には第31節と第32節を欠場していた山口も復帰し、後半13分から途中出場して2-1の勝利に貢献した。優勝の瞬間をピッチ上で迎えることができた山口は、「嬉しかったですか?」と内田氏に聞かれると「はい、泣いちゃいました」と振り返り、「泣くタイプじゃないんですけど。5分前くらいから、もう涙が出そうになっていて。ただ、笛が鳴った瞬間にどうしようかなと考えながらちょっとプレーしていて。『最後にちょっとあるでしょ』と思っていました」と、試合終了の少し前から優勝の瞬間を少しイメージしていたことを明かした。

 優勝が決まった瞬間「大号泣していた」と内田氏に指摘され、チームメイトの酒井にも「赤ちゃんのように泣いていた」と言われた武藤は、頷きながら「はい。もう嬉しかったです。こんなに嬉しいと思わなかった」と言い、「結構苦しかったです。みんないろんなことがあって、それを隠して戦い続けて。それで最終的に最高の結果が得られてホッとしたというか、勝手に涙がこぼれてきました」と、涙の背景にあった理由を語っている。

 同じく初のリーグ優勝となった酒井も「嬉しかったです」と言い、内田氏に「シーズンが始まる前、目標は優勝だったの?」と聞かれると、「全然です。だって、その前(のシーズン)残留争いをしていたんですよ。ギリギリまで」と、2023シーズンのリーグ優勝を果たした神戸の目標が優勝になかったことを明かした。

 実際、神戸の成績を見ると2022シーズンは11勝7分け16敗と負け越している。しかし、今シーズンは21勝利8分け5敗と大きく勝ち越した。「なんでそんなに急に強くなったの?」と内田氏に問われると、酒井は「去年の最後は、なんかつかんだ感覚がありました。戦い方がこれでハマったかなみたいな。やりながらですけどね。サコ(大迫勇也)も戻ってきて、ヨッチ(武藤嘉紀)もケガが長かったけど戻ってきて。いる選手がそろったなかで、『こういうサッカーをしよう』というのが、最後の10試合、5試合くらいは個人的にはカチッとハマっていた感じがしました」と、残留争いを繰り広げながらも前シーズンから手応えがあったと話した。

 今季途中には元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタが退団。クラブのキャプテンを務めていたレジェンドが抜けた後、山口がキャプテンマークを巻き、Jリーグアウォーズでもチームを代表する役回りを務めていた。だが、山口自身は「(キャプテン)じゃないです」と否定し、「何も(クラブから)言われていないので。マジで何も言われていないので。アンドレスがキャプテンでスタートして、いなくなって、何も言われていなくて、毎試合毎試合、ただキャプテンマークが(ロッカールームの自分のところに)置かれているだけなので」と、その理由を説明した。

 これには内田氏も「そうなの?」と驚き、「どうまとめているのかなと思って。神戸を」と聞いたが、山口は「まとめているとか、あるかな?」と、武藤と酒井に聞くと、武藤は即座に「蛍くんは背中で見せるっていう感じですよ。淡々と一人、戦い続けて、誰よりも走って、何も文句を言わずにとにかくやり続ける。そこでゴウくん(酒井高徳)と、サコくんが、若手に喝をガシャンと入れる。ガシャンと入れられて、ちょっと弱っている後輩と僕は飯に行って落ち着かせる」と、神戸がまとまっていった状況を説明した。内田氏が「自分の株を上げている」と笑うと、酒井も「いいところ取りなんです。最後」と、笑いながら口を尖らせた。

 そんな武藤だが優勝が決まる名古屋戦のハーフタイムには、大迫とともにチームに喝を入れたという。内田氏から「優勝が決まった試合のハーフタイムに大迫さんと武藤さんが喝を入れたという噂が」と話を振ると、武藤は「はい」と認めつつ「喝を入れたと言うのかな? これもオレらからすると普通なんです」と言い、実際に何が起きたかを説明した。

「試合中に笑うな」 武藤が声を上げた理由「やり切ってから笑え」

 武藤によると名古屋戦の立ち上がりに2点をリードした神戸だったが、2点目を挙げた後のCKの際に、何人かの選手がピッチ上で笑っていたという。「2点パパンと入ったので『もう勝ったんじゃないか』という雰囲気になっていて、その時にも『1回、集中しろ』と注意したんです。そうしたら、すぐに失点しちゃって。それでもう沸々と分かったんです。試合中に『慢心や過信をするな』と言った直後にそうなったから。ここは1回、(喝を)入れておかないといけないなと思って。それでズシーンと言いました」。

 内田氏が、さらに「なんて言ったの?」と聞くと、武藤は「試合中に笑うなと。本気で言いました。『笑うな。すべて終わって、やり切ってから笑え』と。サコくんは、その後に。集中していない選手がいるからって」と隣の酒井に聞くと、酒井も「そうそう」と頷きながら「『こんなんじゃダメだよ』って言っていました」と、優勝が決まる45分前のロッカールームの様子を伝えた。

「サコって、そういうことを言うんだ」と内田氏が、かつて鹿島や日本代表でもチームメイトだった大迫について驚いたように聞くと、武藤は「サコくんは一番言うんじゃないかな。この4人(大迫、酒井、武藤、山口)のなかでは。だから、めっちゃ日本に帰ってきてから変わったと思います」と言うと、内田氏も「鹿島にいる時のサコは、淡々とやるイメージだった。代表もそうだったね。自分の仕事をする感じだった」と返すと、武藤は「チームとして勝ちたいという欲があって、彼自身の性格も変わっていったんだと思います」と、今季のリーグ得点王とベストイレブン、そして最優秀選手賞の“3冠”を受賞した10番について語った。

(FOOTBALL ZONE編集部)



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