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J1判定で「24回のエラー」 JFA審判委員が明らかにした実態、昇格PO決勝のPK判定は「映像見たが…」
JFAの審判委員会が今シーズンのジャッジを総括
日本サッカー協会(JFA)の審判委員会は、12月8日に今年の第10回レフェリーブリーフィングを開催。具体的な事象よりも今シーズンを総括しての振り返りとなった。
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その中では、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)に関する話題に対する時間が長くなった。審判員としては2018年ロシア・ワールドカップ(W杯)に選出され、昨季限りで退いたJFA審判マネジャーVAR担当の佐藤隆治氏が説明を行った。
VAR運用について佐藤氏はシーズン前の時点で「コンファーム(承認)するか、レビュー(見直し)するか」を求めたとし、「サポートという言葉は使わない。同じ審判仲間、先輩後輩もあるし、フォローしたいマインドになる。ロシアW杯で同国のレフェリーとVARで、主審の判断をフォローしたくなる気持ちから失敗する例を見てきた」として、決断するための必要最小限の交信にとどめることなどをアドバイスしてきたとした。
その中では、今季の改善点としてVARがルーム内で事象をチェックして主審にオンフィールドレビューを勧めるかを判断するまでの時間、主審がオンフィールドレビュー中に映像を見て決断するまでの時間が昨季との比較で短縮されていることが示された。
VARオンリーレビューにかかった時間の平均は約4秒のびたが、これは今季からオフサイドの判定に3Dラインが導入されたことが大きい。実際に3Dライン作成まで進んだ際どい判定はシーズン全体で50回あり、そのうち21回が判定変更につながった。この平均所要時間が約140秒だったとした佐藤氏は「目安として2分(120秒)以内を目標にしたい」と話している。
また佐藤氏はJ1の306試合全体では24回のエラーがあったと話し、そのうちの16回は主審に映像を見せるオンフィールドレビューをするべきだったものだとした。佐藤氏は、特にシーズン前半について「VAR介入に関して、ハッキリとした、明白な間違い。見逃された重大な事象。これを意識させ過ぎたことで、介入すべきことができなかった」と話し、シーズン後半からは改善傾向にあったとしている。
質疑応答の中では先日のJ1昇格プレーオフ決勝の東京ヴェルディと清水エスパルスの試合における試合終盤のPK判定とVARの判断も話題に出たが、佐藤氏は「ボールに触れたかどうか、相手に先に触れたかどうかも考慮するが、どういう過程で当たっているか、どちらのボールだったか、チャレンジの仕方を考えて現場のレフェリーが判断する。それをVARがコンファームできるのか、見直さないとだめと考えるか。VARはもちろんゴール裏のカメラ映像も確認したうえで、コンファームしている。僕も映像を見ましたが、十分に受け入れられる。(自分がVARでも)コンファームすると思います」と話した。
JFA審判マネジャーJリーグ担当統括の東城穣氏は、来季以降に向けて「より納得感の高いレフェリングを目指す」ことを継続し、「判定につながる事実を掴みにいく、落とさない見極め」、「より良いポジションで事象を見極めるポジショニング」、「競技規則の適用、解釈の整理」、「説得力あるポジションを取り続けられるようにするフィジカル」の4つのポイントを挙げていた。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)