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策におぼれたリバプール 宿敵マンU戦での大敗に見えた采配の混乱
大一番での大博打に大敗
「ジャブばっかりでKOパンチがない? その通りだね。言われなくても、私が一番良く分かっていることだ」
試合後のインタビューで、ギャリー・ネビル氏が解説中に発言した内容について尋ねられたブレンダン・ロジャース監督は、悔しさを噛み殺しながらそう口にした。確かに決定機を創出した数自体はイーブンだったかもしれない。しかし、結果は無得点の3失点。大敗である。
リバプールは14日、プレミアリーグ第16節で宿敵マンチェスター・ユナイテッドとの「ナショナル・ダービー」を迎えた。欧州チャンピオンズリーグの出場権をかけた両者の直接対決は、0-3とマンUの圧勝劇に終わった。
この試合でリバプールは、従来の4バックシステムではなく3バックシステムを採用。さらに守護神を正GKのシモン・ミニョレではなくバックアッパーのブラッドリー・ジョーンズを起用してきた。大不振によりトップ4に向け後のない状況で、ロジャース監督は大博打に出た。しかし、決して用意周到ではなかったその策は、オールド・トラッフォードのピッチで儚くも砕け散ることとなる。
この大一番で採用してきた3バックシステムで指揮官は、中盤の底にMFジョー・アレン、右ウィングバックにMFジョーダン・ヘンダーソンを配置するなど、過去に試したことのないコンバートを実施した。そして、そのギャンブルがリバプールを窮地へ追い込んだ。
まず1失点目。それまで高い位置で試合のインセンティブを握っていたものの、前半12分、マンUのカウンターからあっさりと先制点を許した。このシーン、相手DFアントニオ・バレンシアに対しアレンが対応していたが、あっけなく突破され、アレンが抜けたフリースペースにボールを送り込まれると、充分に余裕を持った相手FWウェイン・ルーニーが右足で合わせネットを揺らした。アレンはバレンシアに股抜きでの突破を許したのにも関わらず、その後に全力で追いかけることなくボールウォッチャーと化し、中央のカバーリングにすら動くこともなかった。本来のボトムからすれば、あり得ない光景である。