得点王、ベスト11、MVPを総なめ 2023年は“大迫勇也のシーズン”、自身が選ぶベストプレーは?
いいコンディションでシーズンインできたことが奏功
2023年のJリーグは、ヴィッセル神戸とFW大迫勇也のシーズンになったと言っても過言ではないだろう。神戸は悲願の初優勝を達成し、30年目のJリーグで優勝経験のある11番目のクラブとなった。そして、横浜F・マリノスのFWアンデルソン・ロペスと並ぶリーグ最多22得点を挙げた大迫は、得点王、ベストイレブン、そして最優秀選手賞(MVP)も受賞した。
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2021年に神戸に加入した大迫だったが、昨年までの2シーズンはリーグ戦計11得点にとどまり、クラブも優勝争いとは遠い位置にいた。今シーズンをどのような思いで戦っていたかを問われた大迫は、「僕自身、日本に戻ってきて、なかなかチームとして結果も出なかったですし、悔しい思いを1年半していましたので、本当に反骨心というか『今年は絶対に』という強い気持ちは常に持って練習から臨んでいました」と、明かした。
大迫は12月5日に行われたJリーグアウォーズの授賞式で、チームメイト、スタッフ、スポンサー、ファン・サポーター、そして家族といった周囲のサポートへの感謝を口にした。だが、大迫自身の中にも、これだけ個人タイトルを総なめにできた要因があったはずだ。好成績を残せた要因を問われると、「コンディションが、すごくいい状態で入れたことが一番大きかった。そこですね、そこだけです」と、振り返った。
昨シーズンの終盤はコンディションが整わずに、目標としていたカタール・ワールドカップ(W杯)にも出場できなかった。それでも、カタール行きが叶わなかったシーズンオフの準備が、全34試合に出場した今季の爆発につながったようだ。
「オフシーズンはすごく長かったので、しっかりと走り込んで、なおかつ出力をしっかり出せるような身体を作ることを目指しました。それには本当にトレーナーさんに付きっ切りでやってもらいましたし、シーズン中も週に1、2回はトレーナーさんについてもらって、身体の部分は細かくしっかりとトレーニングして、ケアをしてというのを続けられた1年だったかなと思います」
自身が選ぶ今季のベストプレーは川崎戦の直接FK弾
そうした徹底した姿勢もあり、今季22ゴールを重ねた大迫だが、ベストプレーを問われて挙げたのは、キャリアでも初めてとなる形で挙げたゴールだった。「川崎戦で決めたフリーキック(FK)が、やっぱりプロで初めてのFKだったので、それはなんか決めた時は違う感情でしたし、嬉しかったです」と、第23節の川崎フロンターレ戦で決めた直接FKを振り返った。
今回のJリーグアウォーズで大迫はMVPに輝いたことで200万円、さらにベストイレブンと得点王でそれぞれ100万円と、計400万円の賞金を獲得した。その使い道を問われると、「チームメイトには感謝しているので、何かみんなにご飯を。そこに使えればいいかな」と明かした。この粋な発表を同じ壇上で聞いたチームメイトのFW武藤嘉紀とDF酒井高徳は、横で拍手をして喜んでいた。
今シーズン、圧巻のパフォーマンスを見せた大迫だが、まだまだ自身は成長できると感じている。「僕自身、まだまだフィジカルは鍛え上げられると思っていますし、それにこのオフは挑戦しようかなというのは思っています。なので、楽しみにしてください」と、2024年はさらなる進化を遂げた状態で、戻ってくることを宣言した。