鹿島19冠王手を導く土居の決勝弾! 「慌てずにやれた」チームに漂う“常勝の風格”
“万能アタッカー”が元日決勝を呼び込む一撃 「咄嗟にシュートに切り替えた」
一瞬の判断が貴重な決勝ゴールを呼び込んだ。鹿島アントラーズのFW土居聖真は、29日に行われた天皇杯準決勝の横浜F・マリノス戦でスタメン出場すると、前半41分にMF柴崎岳からのクロスをヘディングで決めて先制ゴール。この1点が決勝ゴールとなり、鹿島が2-0で横浜FMを破り元日決勝に駒を進めた。
序盤から横浜FMに攻め込まれる展開だった。しかし、土居は「攻め込まれるシーンもありましたけど、慌てずにやれた結果。こういう展開はチャンピオンシップやクラブワールドカップで経験してきたので、チーム全体で慌てずにプレーできた」と振り返った。浦和レッズとのJリーグチャンピオンシップ決勝や、FIFAクラブワールドカップでもボール保持を許す展開のなかで守備陣が耐えて決勝ゴールを決めてきたが、その経験が生かされたと語った。
そして、ゴールシーンでは冷静な判断が光った。柴崎が右から上げたクロスに対してファーサイドに走り込んだ土居には、「マイナスのところで秀平くんがフリーで呼んでいた」と、FW赤崎秀平への折り返しも選択肢にあった。しかし、「DFが動いたので咄嗟にシュートに切り替えました」と強靭な上体を生かしたヘディングシュートを放つ。相手GKも反応したが、ボールに手が届いた時にはすでにラインを超えてゴールに吸い込まれていた。
石井正忠監督の采配のなかで、土居は途中交代でサイドハーフやトップ下にもポジションを移すなど、攻撃で万能性を見せている。12月に入ってすでに7試合を消化した過密日程の中でも「ここまで来たら、決勝も勝つだけです」と、2010年度大会以来の天皇杯制覇と19冠目に向けて元日決勝に意気込んでいる。
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フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images