「Jリーグには驚かされた」 退任の浦和スコルジャ監督、日本サッカーレベルに感銘「将来は明るい」

マチェイ・スコルジャにとってJリーグで最後の指揮となった【写真:(C) mm】
マチェイ・スコルジャにとってJリーグで最後の指揮となった【写真:(C) mm】

今季限りで退任のスコルジャ監督、日本での指導キャリアに改めて言及

 今季限りでの退任が決まっている浦和レッズのマチェイ・スコルジャ監督は、12月3日のリーグ最終節、北海道コンサドーレ札幌戦を2-0の勝利で終えた。1シーズンの指揮とはいえJリーグについて「多くの面でJリーグには驚かされた」と話した。

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 ポーランドのレフ・ポズナンなどを率いてリーグ4回制覇の名将は今季、浦和の監督に就任。前任のリカルド・ロドリゲス監督からチームを引き継ぐと特に守備面からブラッシュアップしてリーグ最少失点のチームを構築。得点数が伸び悩んだことについて「もう少し時間があれば、という側面もある」とは話したが、決勝のみ今春だったAFCチャンピオンズリーグ(ACL)決勝でサウジアラビアの強豪アル・ヒラルを下し、リーグ戦では残り3試合前で優勝の可能性を残す上位争い、ルヴァンカップでも準優勝に導いた。

 ポーランドからやってきた名将は1年間を戦ってきたJリーグという存在について改めて問われると、「この瞬間、少し難しい質問ですね」としながらも、少し考えて冷静に言葉をつないだ。

「私の監督キャリアの中でも今年が最も重要な1年になった。多くの面でJリーグには驚かされた。組織、スタジアム、サポーター、選手の質の高さもそうだった。そして、非常に競争力がありチーム間に差のないリーグだと感じた。順位表で最下位のチームと対戦する時も100%の集中力で戦わないと勝てない。そして、戦術的な規律のところでレベルの高いものがあった。日本人監督はそのような部分が得意だと思う。また、Jリーグでのメディアの皆さん、ジャーナリストの方たちもJリーグの中で品質の高いプロダクトの一部だと思う。1年間Jリーグで仕事をして、Jリーグという社会に所属する皆さんすべてに感謝したい。日本のサッカーの将来は明るいと思う」

 このような点は、今季が加入1年目だったノルウェー人DFマリウス・ホイブラーテンもまた「このリーグは全員にスキルがあるので、すべての試合で集中しなければいけなかった。少しでも気を抜くと、パフォーマンスが出せなかった。それが要求されるリーグで、選手としてはすごくプレーを楽しめた」と話している。

「今あるロッカールームの雰囲気、この一体感はキープしなくてはいけない」

 多くの主力選手も退任を惜しむなかで、家族との時間を優先するためと決意は変わらなかった。この日の指揮がJリーグでは最後の機会になったが、この後もACLとクラブ・ワールドカップ(W杯)の戦いが残る。12月6日にハノイFC(ベトナム)とACLグループステージ最終戦を戦い、勝利したうえで突破は翌週に行われる他グループの結果待ちということになる。

 その状況にもスコルジャ監督は「我々はACLでグループ突破できると信じて次の試合を勝ちにいかないといけない。クラブにとって非常に大事なもの。リカルド監督がACLを残してくれたように、私も次の監督に渡したい。ハノイで勝てると信じている。本日は他会場の結果が我々を助けることはなかったが、そういった運もあればと思う。その次のクラブW杯は私が説明しなくても、クラブレベルで世界で最も重要な戦い。私も人生を懸けて臨みたい」と話した。

 次期監督については各種報道も出ているが、スコルジャ監督は「私の望みですが。クラブ全体、ロッカールームのこの雰囲気を保ってほしい。メンタル面は非常に重要だと思う。もちろん新監督も豊富な経験を利用して浦和のパフォーマンスを向上させることができるだろう。プレースタイルやシステムはどうするか分からないが、今あるロッカールームの雰囲気、この一体感はキープしなくてはいけない」と、言葉を残していた。

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