天才・小野伸二が驚き「こんな選手いたんだ」 17歳年下のJリーガーとの出会いを回想
琉球時代に共闘、現役ラストマッチで相まみえた27歳MFにエール
北海道コンサドーレ札幌のMF小野伸二が、12月3日のリーグ最終節、浦和レッズ戦を最後に現役生活を引退した。試合後の引退会見では、多くのチームでプレーしたキャリアについて「その土地を盛り上げたいという気持ちでどの場所にも行かせてもらった」と話した。
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静岡県出身の小野は1998年に浦和へ加入してプロデビュー。オランダの名門フェイエノールトや帰国しての浦和、ドイツのボーフム、地元の清水エスパルス、オーストラリアのウェスタンシドニー・ワンダラーズとキャリアを積んで14年に札幌入り。19年夏にFC琉球へ移籍したが、21年に札幌復帰していた。キャリア最初のクラブとなった浦和との最終戦が現役ラストゲームになる巡り合わせになった。この日のゲームで小野はスタメン出場から前半途中で交代に。札幌と浦和の選手が合同で花道を作り、タッチラインへ歩く小野を送り出した。
国内、国外と多くのクラブを渡り歩いた44歳小野は引退会見で、「オランダ、ドイツ、オーストラリア、どのチームでも選手にもウェルカムな形にしてもらって、オランダではタイトルが獲れた。オーストラリアではできたばかりのチームでもACL優勝するまでのチームになれた。色々なものを得るなかで、どの国の人も自分のことを気にかけて、気遣ってくれていることは嬉しい」と話す。
そのなかでは、FC琉球時代にチームメイトだった浦和MF小泉佳穂と互いにチームを変えてこの日のピッチで同じ時間を過ごした。27歳の小泉は「正直なところ、もう少し見たいなと。まだいけるでしょって。あれだけボールに絡んでチャンスメイクして、敵として嫌だったし、ファンとしてはわくわくさせられる。ああやって花道を作られて、みんなから拍手を受けるような選手はなかなかいないと思う。選手としても人としても魅力があるからそうさせるんだと思うし、改めて、凄い人と一緒にサッカーをできた時期があったんだなと、幸せだなと。予定より5分くらい長かったらしいですけど、さすがだなって思いますね」と話した。
一方の小野は、その小泉について「佳穂に会った時、初日だけどこのチームで一番うまいのに何で試合に出ていないのかという疑問が浮かんだ。こんなに人をワクワクさせる選手がいたんだなという印象だった。そこから2年間一緒にプレーさせてもらって、そこから浦和だけど、今は楽しくレギュラーでバリバリやっているのでこれからの日本サッカーを牽引してほしい」と話している。
これは一例であって、こうやってさまざまなチームで小野は一緒にプレーした選手に影響を与えてきた。あらゆる場所を渡り歩いてきたキャリアについて小野は「どこの土地にも、その土地を自分で愛して、その土地に愛されてという感覚。その土地を盛り上げたいという気持ちでどの場所にも行かせてもらった。長く北海道にいさせてもらったのは、かけがえのない貴重な時間だったと思う」と話し、通算7シーズンの所属になった札幌について「自分も北海道という土地が好きなんだなと思う」と笑顔を見せていた。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)