J1昇格を逃した清水、攻守の鍵・乾貴士の来季の契約状況「何の話もない」 ベンチで見守ったPK被弾「悔しかった」

東京V戦に出場した乾貴士【写真:Getty Images】
東京V戦に出場した乾貴士【写真:Getty Images】

J1昇格プレーオフ決勝戦、東京Vが土壇場で追い付き来季のJ1昇格

 清水エスパルスは12月2日に行われたJ1昇格プレーオフ決勝で東京ヴェルディと1-1で引き分けた。この結果、J2で年間3位だった東京Vが来季のJ1昇格となり、清水は惜しくも1年でのJ1復帰を逃すこととなった。

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 後半18分にFWチアゴ・サンタナのPKで先制した清水は、後半アディショナルタイムまでリードを保っていた。しかし、同アディショナルタイム6分にDF高橋祐治がエリア内でスライディングタックルを仕掛け、FW染野唯月を倒してPKを与えてしまう。このPKを染野に決められて、同点に追い付かれてしまった。

 試合後のミックスゾーンで、後半38分にベンチに退いていた元日本代表MF乾貴士は、「(清水が)J2のチームだっていうことだけです。それ以外、何もないです」と言い、「こうしておけば良かったとかは、今言っても意味がないのでないのですが、とにかくヴェルディさんの方がJ1に上がるに相応しかったということだと思います」と、結果について語った。

 J2のチームという言葉の意味について聞かれると「これだけ勝負弱いと、それはね。ここで勝っていればという試合が、シーズンを通して何回もありました。それを勝ち切れなかった。今回も1-0で追われれば、もちろん上がれていましたが、ああいうところでああいうミスをしてしまうということは、自分たちがJ2のチームだということだと思います。1人1人のクオリティーを考えればJ1にいてもおかしくないのかもしれませんが、でも結局J2のなかで4位。プレーオフでも結局勝てずなので、自分たちはJ2のチームだと思います」と、説明した。

 秋葉忠宏監督は「2-0にしないといけないと思っていた。2点目を奪いに行っていた」と、攻撃の手を緩めないように考えていたことを明かした。だが、乾がベンチに下がってからのチームは、どう試合を運べばいいかを見失っているようにも見えた。同点ゴールをベンチで悔しそうに見ていた乾は「悔しかったですよ。自分がピッチに立てていないことも悔しかったですし。でも、信頼している仲間にあとは託したので」と振り返った後、PKを与えた場面にチームの課題が浮き彫りになったと指摘した。

「そのなかでPKを与えてしまったことが、まず(高橋が)滑る必要もなかったですし、きつかったと思いますけどね。前の選手たちも、もっと点を取るチャンスがあったので、自分たちが点を取っていれば、ああいうのがあっても勝てていました。やっぱり自分たちも悪いですけど、ああいうところで滑ってしまう、無駄なファウルをしてしまうところは、反省しないといけない。祐治自身ももう分かっていると思いますけど、(最終節の)水戸戦の失点に絡んだところもそうですし、もう少し賢くならないと、レベルアップしないと、J1に上がるチームにはなれない。自分自身も含め、もっとレベルアップしないといけない。今回もそうですし、シーズンを通してもそういう場面が何度もあったので、それをこの1年を通してできなかったことで、J1を逃してしまったと思います」

 今シーズン、J2では10得点10アシストという数字を残してチームを引っ張った乾だが、「J1に上げられなかったことがすべてなので。得点もアシストも、まったく意味がないです。大事なところに何も仕事ができなかったので、申し訳なく思っています。本当にふがいない、それだけです」と、昇格を果たせなかったことの責任を感じていた。

 来シーズン、清水は再びJ1を目指すことになるが、来季に向けた修正点を問われた乾は「まずオレは契約がないので。今年までで何の契約の話もないので。そこは、まだ何も考えていないです」と、契約延長交渉も進んでいないことを明かした。

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