横浜FM×新潟、序盤の“ノーカード”判定に識者見解 「現場でイエローカードが出ていれば…」
横浜FMマテウスが新潟DF新井と接触したシーンに注目
スポーツチャンネル「DAZN」の判定検証番組「Jリーグジャッジリプレイ」で、11月24日のJ1リーグ第33節、横浜F・マリノスとアルビレックス新潟の試合が取り上げられた。2つの場面が取り上げられるなか、前半4分のプレーが決定的な得点機会の阻止(DOGSO=ドグソ/“Denying an Obvious Goal-Scoring Opportunity”の略)にあたるかが議論された。
【注目】白熱するJリーグ、一部の試合を無料ライブ配信! 簡単登録ですぐ視聴できる「DAZN Freemium」はここから
この場面では横浜FMが攻撃にかかり、左サイドから最終ライン背後へスルーパス。FWヤン・マテウスが抜け出しかかったところ、DF新井直人の接触がファウルの判定に。DOGSOのようにも見える場面だったが福島孝一郎レフェリーの判断はノーカード。池内明彦VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)の介入もなかった。
ゲスト出演した今季限りでの現役引退を発表した町田ゼルビアのDF太田宏介は、「自然に走りながらの相手をブロックする形。新井選手からするとファウルじゃないだろとなる気持ちもわかる。でも、映像で振り返って見ると、マリノスの選手からすると最低でもイエローカードを出してくれという気持ちは分かる。マテウス選手の入っていく角度が、新井選手の背後を取るような形でのランニングに対して手で押さえたら、もしかしたらDOGSOに近いかなと思うけど、新井選手の前を通ってボールには追い付かない。しっかり並走していても新井選手はやられなかったと思うし、GKが無難に処理するのではないかと思う」と話した。
この試合の解説も務めた元日本代表FW佐藤寿人氏は「マテウス選手の走る方向が、新井選手の背中ではなく前に走っていく。最初の立ち位置が新井選手の方がパスコースに入っている。この左手はちょっと余計だったですか。GK小島選手もバックステップしますが、これだけボールが流れれば前に出ていくと思う。解説では、新井選手の方が身体が前で先にポジションを取れているから、DOGSOとかそういうことにはならないと思うと話した」とコメントしている。
元国際審判員・プロフェッショナルレフェリーの家本政明氏は「2つ考えることがあって、ダメージへの懲戒罰なのか、状況に対する懲戒罰か。僕の結論は、どちらかというとレッドカードのボーダーラインに懸かるのでVARが入った方が良かったのではないかという見立て」と話した。
DOGSOの4要件に該当するかについて家本氏は「距離はちょっと遠いけれどもボーダーラインにある」、「ボールはコントロールできていないからプレーできているとは言えないけど、ゴール方向に行っていると見えるのでボーダーに懸かる」、「守備側の位置と数はGK1枚しかいないので真っ赤」、「最大のポイントはボールをキープまたはコントロールできる可能性。2メートルか、3メートル。GKは前じゃなくて後ろに入っているので、ファウルコンタクトがなければマテウス選手がコントロールできると思う」とポイントを挙げ、「ここでコンタクトがあったとして、抜け出したら決定的。そのため、どちらかと言えばレッドカード」と話した。
また、腕のコンタクトについては「結果的に首元、または顔のところにヒジもしくは上腕の硬いところが当たっている。相手の安全に配慮のない無謀なコンタクトになってしまった。少なくともイエローカードが必要。現場で少なくともイエローカードというのが共有されなければいけない事象だったと思う」と話していた。
佐藤氏はマテウスのコース取りについて指摘「コンタクトがなくても追い付かない」
佐藤氏はマテウスのコース取りについて「コンタクトがなくても追い付かない。マリノスからするとボールが左から右に流れる、マテウス選手は右から左に走るので、ここが交わらないとボールはコントロールできない。家本さんの解釈と違ってくるけど、コンタクトがあってもなくてもボールは流れたと思う」と話した。
家本氏は「ボーダーと言ったのは、真っ赤とは言っていないということ。位置関係とボールをコントロールしていない状況を考えると、真っ赤じゃないと全てのレフェリーが思うと思う。どれくらい赤の可能性があるのかの議論なので、ボールの勢いが弱まってくる。この左腕のコンタクトがなければマテウス選手が抜け出すか並走できるので、どちらかと言えばレッドカードかと思う。ただ、現場でイエローカードが出ていればVARが入るような状況ではないと思う」とコメントしていた。