「彼らがいたから頑張ろうというモチベーションになった」

　今季限りでの引退を発表した大宮アルディージャのGK南雄太が、11月27日にさいたま市内で引退記者会見を実施。「黄金世代」と呼ばれる同世代の選手たちとの関係について「あのメンバーが揃うのは後にも先にもない」と話した。

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　1979年生まれの南は静岡学園高校時代に全国優勝を経験し、97年と99年には後に「黄金世代」と呼ばれる選手たちとワールドユース（現U-20ワールドカップ）に出場。97年大会はベスト8、99年大会では日本サッカー史上初のFIFA主催大会での決勝進出を正GKとして支えた。Jリーグでは98年に柏レイソルへ入団すると初年度からレギュラーを獲得。ロアッソ熊本、横浜FCと活躍の場を移し、21年から大宮に加入して3シーズンを戦った。22年にはアキレス腱断裂の負傷を負ったが今季に復帰。公式戦5試合に出場して、現役生活を終えた。

　79年生まれには、すでに現役を引退している中田浩二氏、小笠原満男氏、本山雅志氏らの名手が揃った。彼らに加え、99年のワールドユースを戦ったメンバーには北海道コンサドーレ札幌のMF小野伸二やジュビロ磐田のMF遠藤保仁、沖縄SVで選手兼CEO（最高経営責任者）として活躍するFW高原直泰もいた。97年大会では、MF中村俊輔やDF宮本恒靖、FW柳沢敦と共闘している。

　南は「あの世代に生まれてラッキーだった。あのメンバーが揃うのは後にも先にもない。みんな現役も長くやれた。若い時は嫉妬じゃないけど、活躍を素直に喜べない時期もあったけど、年を追うごとに彼らの活躍が自分のことのように嬉しかった。自分も頑張ろうという刺激ももらった。彼らがいたから頑張ろうというモチベーションになった。ここまでやれたのは間違いなくゴールデンエイジのみんながいたからだと思う」と話す。

　彼らには同じ79年生まれの選手たちによるSNSのグループもあり、引退なども公式発表前に報告したと話す。小野や高原は同じ静岡県の高校でライバル関係だったが、両名とも今季限りでの引退を表明している。「全くの偶然で、不思議な縁というか力は感じる。静岡の時から同じ選抜で代表も一緒。そもそもこの年齢まで3人とも続けられたのが奇跡。それが最後も一緒。示し合わせも全くないけど、縁は感じる。最終戦が終わった後に伸二が連絡をくれて、お疲れさまでしたと。スピーチも良かったよと言ってくれた。残り2週間、自分もしっかり頑張るという連絡もくれた」と、今でも続く絆について話した。

　この「黄金世代」は海外でプレーすることを当たり前の光景に変え、日本サッカーの歴史を大きく変えた。その一員として戦ってきた南は、同世代の話題になると笑顔を目立たせながら振り返っていた。