現役引退の44歳GK南雄太、回顧した“衝撃オウンゴール”の経緯 「せっかくなんで解説します」

引退会見を実施した南雄太【写真: 轡田哲朗】
引退会見を実施した南雄太【写真: 轡田哲朗】

27日の引退記者会見で過去の失敗談について触れる

 今季限りでの引退を発表した大宮アルディージャのGK南雄太が、11月27日にさいたま市内で引退記者会見を実施。もしかしたら、最も知名度を上げる結果になってしまった衝撃のオウンゴールについて、「せっかくなんで解説します」と、自らそのプレーについて振り返った。

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 1979年生まれの南は静岡学園高校時代に全国優勝を経験し、97年と99年には後に「黄金世代」と呼ばれる選手たちとワールドユース(現U-20ワールドカップ)に出場。97年大会はベスト8、99年大会では日本サッカー史上初のFIFA主催大会での決勝進出を正GKとして支えた。Jリーグでは98年に柏レイソルへ入団すると初年度からレギュラーを獲得。ロアッソ熊本、横浜FCと活躍の場を移し、21年から大宮に加入して3シーズンを戦った。22年にはアキレス腱断裂の負傷を負ったが今季に復帰。公式戦5試合に出場して、現役生活を終えた。

 その南が柏に所属していた04年、5月22日のサンフレッチェ広島戦で衝撃の事態は起こった。ボールを手に持って味方へのスローイングを模索した際、ボールを投げる動作を止めようとしたかのように見えたその時にボールは自身の後方へ飛んでしまった。結果的に見れば、GKが自らのゴールにボールを投げ入れるオウンゴールとなった。今ほどSNSなどが発達した時代ではなかったが、この映像は多くの人の目に触れることになった。

 現役最後の機会でこの件について報道陣へ「オウンゴールですか? 遠慮なく聞いてください」と言葉を発した。そして、質問があると「せっかくなんで解説します」と笑顔も見せながらプレーを振り返った。

「こっち側に中澤聡太がいて、そこにボールを転がそうとしたら、聡太が『あっちフリー』とそれで逆を見たら、『あ、フリーだ』と思って近藤(直也)に投げようとしたら、サンフレッチェの選手がダッシュしてきたからやめようと思ったけど、気が付いたらゴールに入っていた。半分くらい聡太のせいです(笑)。(SNSがなくて)心から良かったなと思う。本来あってはいけないことなので。それで記憶に残る、覚えてくれるのはありがたかったと思いますけど、その試合の後にレイソルのサポーターにバスを囲まれたのは今でも忘れられないくらい怖かった。窓越しにめちゃくちゃ、何か言ってました」

 柏サポーターとの逸話では、「18歳で自分の調子が良くない時も西野(朗、当時監督)さんが使い続けてくれた。その時、サポーターに土肥(洋一)コールをされた時はこたえた」と、ルーキー時代のことも話して笑ったが、『柏の子供は雄太の背中を見て育つ』という言葉もサポーターから生まれ、「あのフレーズに関しては、今でも言ってくれる人が結構いる。素直にすごく嬉しい」と話していた。

(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)



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