「これは潮時かなと」 大宮GK南雄太、会見で明かした引退決断の瞬間「周りの評価のギャップを感じた」
27日にさいたま市内で引退記者会見を実施
今季限りでの引退を発表した大宮アルディージャのGK南雄太が、11月27日にさいたま市内で引退記者会見を実施。さまざまな感謝や引退への経緯を言葉にし、現在は日本サッカー協会(JFA)のナショナルチームダイレクターを務める山本昌邦氏も駆けつけ花束を渡した。
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1979年生まれの南は静岡学園高校時代に全国優勝を経験し、97年と99年には後に「黄金世代」と呼ばれる選手たちとワールドユース(現U-20ワールドカップ)に出場。97年大会はベスト8、99年大会では日本サッカー史上初のFIFA主催大会での決勝進出を正GKとして支えた。Jリーグでは98年に柏レイソルへ入団すると初年度からレギュラーを獲得。ロアッソ熊本、横浜FCと活躍の場を移し、21年から大宮に加入して3シーズンを戦った。22年にはアキレス腱断裂の負傷を負ったが今季に復帰。公式戦5試合に出場して、現役生活を終えた。
直接的な引退の経緯について、アキレス腱断裂から復帰した今季プレシーズンから思うような動きができないなかで、夏に良くなってきたと自身が感じた時期にあった出来事を話した。9月24日の徳島ヴォルティス戦を前にした1週間、GK笠原昂史の欠場が決まっていたタイミングで「チャンスがあるかなという時に、週の半ばで今回は志村(滉)でいきたいと。それはショックでもあり、大きな出来事。監督やコーチへの不満は沸かず、そこにチョイスされない自分自身というか、何か足りないものがあるということ。夏以降の少しずつ良くなっている実感と、周りの評価のギャップを感じた。自己評価は甘くなるもの。自分が定めている水準が下がっているとその時に感じた」のだと話した。
そこで心に浮かんだ思いを10月上旬に「自分でどう思うか、話したことでもう1回サッカーをやろうと思えるならということも含めて」柏時代からの仲間と食事の席で話した時に「引き留めて、やった方が良いと言ってくれたけど、話したことで逆にすっきりしてしまった。もう1回という気持ちが生まれなかった。これは潮時かなというところで決断した」のだという。
今後について南は「解説者、あとは強化にも興味がある。GKコーチは自分の経験をダイレクトに伝えられる。今すぐじゃないけど、やってみたいことの1つ。でも、その3つですね。あとは予想もしないような話があれば、ぜひ食いついてみたい」と話す。
会見の最後には、97年のワールドユースで監督、99年の同大会でフィリップ・トルシエ監督のコーチを務めた山本氏が駆けつけて花束を贈った。山本氏は「ここからの人生の方が長い。何でもできるタイプなので、引き続きサッカー界に貢献してほしい。色々なクラブの良さが分かっていると思うから、それを還元してもらって、日本サッカーが世界の頂点に立つ選手を一緒に育ててもらえたら」とエールを送った。
26年の現役生活でJリーグ通算666試合出場という記録を残した南は、柔和な笑顔を見せて現役生活にピリオドを打った。