日本代表OBが推奨、森保ジャパン「アジア杯メンバー23人予想」 堂安と南野は「マストではない」…中盤残り1枠は?【見解】
【専門家の目|栗原勇蔵】GK争いはシュミットが後退し、前川が“3枠目”に浮上か
森保一監督率いる日本代表は、6月から国際Aマッチ8連勝で2023年の戦いを締めくくった。2024年元日の国際親善試合タイ戦を経て、1月にカタールで開催されるアジアカップに臨むなか、大会のメンバー23人を元日本代表DF栗原勇蔵氏が予想した。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)
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日本代表がアジアカップで最後に優勝したのは2011年のカタール大会。15年のオーストラリア大会はベスト8でアラブ首長国連邦(UAE)にPK戦の末に敗れ、前回の19年UAE大会は決勝で新興国カタールの前に1-3で涙をのんだ。
3大会ぶりの優勝を目指す今回は、グループリーグでベトナム(1月14日)、イラク(同19日)、インドネシア(同24日)と対戦。3月に北朝鮮との2連戦、6月にもミャンマー、シリアとワールドカップ(W杯)アジア2次予選の戦いが控えていることからも、アジアカップが持つ意味は大きい。
国際サッカー連盟(FIFA)のインターナショナルマッチ・カレンダーにもアジアカップ(1月12日~2月10日)はアフリカ・ネーションズカップ(1月13日~2月11日)とともに記載があり、招集には強制力がある。森保監督はどのようなメンバーを招集するのか。
日本代表OB栗原氏は、「W杯アジア2次予選は開幕2連勝と力の差を見せつけている。3年後の本大会では、今いる選手の半分いるかいないかの世界だと思います。全体的な選手層を厚くしていかないといけない。アジアカップでは優勝を目指して無双してほしいですね」と、森保ジャパンにエールを送る。
【GK=予想枠数3人】
鈴木彩艶(シント=トロイデン/21歳)
大迫敬介(サンフレッチェ広島/24歳)
前川黛也(ヴィッセル神戸/29歳)
「6月以降の起用法を踏まえると、シュミット・ダニエル(シント=トロイデン/31歳)は年齢的にも厳しい立場かもしれない。現時点で大迫と鈴木のどちらが出てもおかしくない状況。鈴木は本当のピンチや接戦でどんなプレーができるかと見てみたいし、大迫は試合に出れば安定している。中村航輔(ポルティモネンセ/28歳)、谷晃生(FCVデンデルEH/23歳)、小島亨介(アルビレックス新潟/26歳)もいるけど、計算しづらいので、国内組では少し頭が抜けているという評価だと思われる前川が成長も著しく、キャラもいいので妥当かと思います」
今回は実力を把握済みの南野に代わり、中村のテスト起用を推奨
【DF=予想枠数8人】
冨安健洋(アーセナル/25歳)
板倉 滉(ボルシアMG/26歳)
菅原由勢(AZアルクマール/23歳)
伊藤洋輝(シュツットガルト/24歳)
谷口彰悟(アル・ラーヤン/32歳)
町田浩樹(ロイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズ/26歳)
中山雄太(ハダースフィールド・タウン/26歳)
毎熊晟矢(セレッソ大阪/26歳)
「11月シリーズは板倉の怪我もあってDFは7人。冨安、菅原の“鉄板組”はもちろん、今は正直メンバーを変える要素はあまりないと思います。板倉はコンディションが戻れば絶対に選びたいメンバーですけど、町田もパフォーマンスはいいし、伊藤をセンターバックでも計算すれば回せるので、無理して選ばないと戦えない陣容ではない。11月は板倉不在のシミュレーションにもなっている気がします。ただ、アジア大会は勝ち上がれば約1か月の長期戦になるので、ローテーションを視野に各ポジション2人の計8人にしておきたいところです」
【MF=予想枠数9人】
遠藤 航(リバプール/30歳)
守田英正(スポルティング/28歳)
田中 碧(デュッセルドルフ/25歳)
伊東純也(スタッド・ランス/30歳)
三笘 薫(ブライトン/26歳)
鎌田大地(ラツィオ/27歳)
久保建英(レアル・ソシエダ/22歳)
堂安 律(フライブルク/25歳)
中村敬斗(スタッド・ランス/23歳)
「遠藤と守田はボランチの第1候補。田中、そして鎌田はボランチとトップ下の両方で考えているのかな、と。2列目のレギュラー候補は伊東、久保、三笘で堅いと思います。堂安と南野拓実(ASモナコ/28歳)の実力は分っているし、経験もある。もちろんいたら頼もしい存在だけど、“マスト”ではない。アジアカップは堂安が残り、残る1枠は中村なのか南野なのか。相馬勇紀(カーザ・ピアAC/26歳)は守備も頑張るけど、リズムとかが少し違う気がするので、怪我の不安がなければ、中村を選んでプレーをしっかりと見たいところです」
【FW=予想枠数3人】
上田綺世(フェイエノールト/25歳)
浅野拓磨(ボーフム/29歳)
細谷真大(柏レイソル/22歳)
「上田は11月シリーズの2試合で計5ゴールと爆発。ポテンシャルの高さは折り紙付きで、あとは結果を積み重ねていくだけだと思います。浅野もここまできたらもう外せない域に入ってきていて、森保監督に“使いたい”と思わせている選手でしょう。もう1枚は、11月のシリア戦でA代表初ゴールを決めた細谷か古橋亨梧(セルティック/28歳)。若い細谷はヘディングこそ上田には及ばないけど、馬力やスピードは上田に匹敵するものを持っている。森保監督好みのタイプだと思います。推進力はJリーグトップクラス。古橋と比べてもパワーが違うし、シュート力も高い。DF目線から見たら、上田や細谷は最も嫌なタイプ。今回は細谷でいい気がします。前田大然(セルティック/26歳)は怪我による辞退が痛かった。ライバルに隙は与えてはいけないので、今後が正念場です」
栗原勇蔵
くりはら・ゆうぞう/1983年生まれ、神奈川県出身。横浜F・マリノスの下部組織で育ち、2002年にトップ昇格。元日本代表DF松田直樹、同DF中澤佑二の下でセンターバックとしての能力を磨くと、プロ5年目の06年から出場機会を増やし最終ラインに欠かせない選手へと成長した。日本代表としても活躍し、20試合3得点を記録。横浜FM一筋で18シーズンを過ごし、19年限りで現役を引退した。現在は横浜FMの「クラブシップ・キャプテン」として活動している。