森保ジャパン、2023年10試合を「総点検」 第2次政権で挑戦した新たな「戦術」…欧州トップの選手も代表に還元【コラム】

2023年は8勝1分1敗で底上げに成功【写真:徳原隆元】
2023年は8勝1分1敗で底上げに成功【写真:徳原隆元】

2023年は8勝1分1敗で底上げに成功

 森保一監督率いる日本代表は、北中米ワールドカップ(W杯)アジア2次予選のミャンマー代表、シリア代表と対戦した11月シリーズで2連勝を飾り、6月から連勝記録を8に伸ばした。これは日本代表の連続勝利記録で最多タイ。今年スタートした第2次政権で着実に実力アップを図っている森保ジャパンの2023年10試合を5つの項目に分けて「総点検」する。第4回は森保監督の「戦術のトライ」について――。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小杉舞)

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 第2次政権、森保監督が3月にいきなり挑戦したのが、サイドバック(SB)が中に入っていき、相手サイドハーフを釣り出したなかでサイドを切り崩す……。新たなSBの挑戦だった。これには初陣から選手も手応えを感じていた。

「まずはトライしたというところで、ポジショニングを実際の試合の中でやれたと思う。もう少し僕としても、うしろからいいパスを前の選手に出してあげたかった。上手くいったところもあれば、いかなかったところもある」(板倉滉)

「新しいことにトライしている部分もあるので、そんなに難しいという感じ方はしていない。僕にとって新しいサッカー勘はいるけどオランダでもSBで中に入ることもあるし、攻撃に関わるのも求められている。なんでもできるのに越したことはないし、それが日本代表に求められるSB像」(菅原由勢)

 また、練習では継続的にスローインからの展開やボランチが押し上げてフィニッシュまで関わるなどさまざまなパターンに挑戦してきた。特に森保監督は欧州のトップクラブでトップ・オブ・トップの指導を受けている選手の意見を尊重。久保建英からレアル・ソシエダのビルドアップを学んだり、冨安健洋からアーセナルの細部にわたるトレーニングなど柔軟に取り入れている。

 W杯でドイツやスペインを撃破したものの、試合の内容ではなかなか主導権を握れなかった。次のW杯には、自分たちがボールを保持するスタイルを目指している。9月のドイツ戦やトルコ戦では目標に近づいたが、選手たちは揃って「まだまだ」と話していた。2024年はアジアとの戦いがメインにはなるが、ボールを持ちながらも多彩な攻撃の蓄積を目指していく。

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