新潟GK小島亨介は「冷静にプレーできた」と言及

　ヴィッセル神戸を勝ち点差「2」で追う横浜F・マリノスの逆転優勝への望みを薄くしたのは、アルビレックス新潟の誇る日本代表GK小島亨介だった。

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　11月24日に行われたJ1リーグ第33節は、横浜FMにとってホーム最終戦。積極果敢にゴールを奪いに来た相手の攻撃をシャットアウトした新潟の守護神は、「結果としてはポジティブですけど、シュートを打たれて決定的なチャンスを作られていることを考えると、その前でどういう風にピンチを防ぐのかが重要だと思います。味方の対応を含めて、僕自身がもっと動かすことができていれば、もっと守りやすかったのかなと感じています」と、20本ものシュートを打たれた試合を反省した。

　最初のピンチは前半12分、横浜FMのFWヤン・マテウスに最終ラインの裏を突かれて、1対1の局面になる。「必ずオープンな時間帯はできるので、そのカウンター気味になった時に味方の枚数が少なくスペースが大きくあるなかで、どのように誘導して守っていくかを考えて臨んでいました」という小島は、ヤン・マテウスの狙いすましたシュートを枠外へ弾き出す。このワンプレーから、一気に乗っていった。

「シュートに関しては、本当にいい準備ができていたので冷静に対応ができていたと思います。セービングに関しては、今日は身体が動いていましたし、リラックスしていい対応ができたと思います。前半早々で抜け出されて1対1気味になったところで冷静に守れて、自分としてもノった感覚がありましたし、その後も冷静にプレーできたと思います」

　いくつもの好セーブを見せた小島だったが、この試合のベストセーブについては、しばらく考えたあと、前半終了間際のFWアンデルソン・ロペスのヘディングを弾いたプレーを挙げた。「どれもいい準備から反応できたシーンが多かったのですが、強いて言えば前半のアンデルソン・ロペス選手のヘディングシュートのところはギリギリだったので、よく守れたな、いい反応ができたなと自分でも思います」と、振り返った。

最終節に意気込み「しっかり勝ってサポーターと喜びたい」

　この試合、ほぼセービングに関してはミスのなかった小島だが、1つだけ微妙な処理になった場面があった。前半39分のエウベルのフリーキック（FK）の場面だ。GK小島が弾いたボールをアンデルソン・ロペスがヘッドし、その後に新潟のDF新井直人と横浜FMのDF角田涼太朗が接触することになった場面では、相手に2次攻撃を許すことになった。

「あのFKはめちゃくちゃブレていたんです。球質自体はそんなに早くなかったので、しっかり一発でキャッチしたいと思っていたんですけど、そのキャッチする際に手元でブレて、ああいう風に弾いてしまいました。ああいったところも思い切って弾く判断ができるように、そういう大胆な判断も伸ばしていかないといけないと感じました」

　10年前となる2013年の11月30日に行われたJ1第33節も、新潟はアウェーで横浜FMの優勝を阻止していた。この時は勝てば優勝が決まるという状況だった横浜FMを2-0で破ると、横浜FMは最終節でも川崎フロンターレに0-1で敗れ、サンフレッチェ広島に逆転優勝を許していた。

　10年ぶりにその再現に近い形となったが、小島は「うっすらとは聞いていました」と言うものの、「ただ、僕たちは歴史を再現するというよりは、目の前の1試合1試合に向けて準備していたので、今日もそういうことを意識せず入りました。結果、同じことになれば、周りの方が盛り上がってくれるかと思いますが、僕自身は1試合1試合に目の前に向いていました」と語った。

　この日、勝てなかったことで新潟はJ1復帰1年目を一桁順位で終える可能性が消滅した。そのことについて、「そこは残念ですが、残り1試合あるので、しっかり勝ってサポーターの方々と喜びたい。今日の試合で出た課題を1週間修正して、新潟のスタイルを体現できるようにやっていきたい」と、ホームで行われる最終節のセレッソ大阪戦での勝利を誓った。