横浜FM角田、崖っぷちの新潟戦でヘッドギアを外してプレーした訳 「チームが勝てればなんでもいいと…」
消化試合数が1多い状況だけに連覇が厳しい状況
横浜F・マリノスのDF角田涼太朗は11月23日に行われたJ1第33節アルビレックス新潟戦(0-0)の試合終盤、自身が頭に着けていたヘッドギアを外してプレーしていた。リスクは承知のうえだった。
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首位のヴィッセル神戸を勝ち点差2で追う2位の横浜FMは、逆転優勝のために絶対に勝利が必要な一戦だった。ルヴァンカップ準決勝の浦和レッズ戦で、顎を骨折していた角田は頭部を守るためのプロテクションを着けてプレーしていた。しかし、この試合の前半39分にゴール前の浮き球を競りに行った際に、新潟DF新井直人と激突。右目の上は、殴られたボクサーのように大きく腫れ上がっていた。
後半の途中からはDF上島拓巳が投入されると、角田は左サイドバックに回る。センターバックほど、ハイボールを競り合う機会のないポジションに回り、ヘッドギアを外してプレーしていた。
「残り20分くらいを切ったところで、目の怪我もあって邪魔になってきていました。何よりも勝ちたかった。自分のことはどうなっても良かった。チームが勝てればなんでもいいと思っていたけれど、結果にはつながらなかった」
前半に負傷したシーンを含め、角田は積極果敢にハイボールや球際の競り合いに挑み、チームのために新潟の攻撃を跳ね返し続けた。その姿にはチームメイトたちも感じることがあったはずだ。
しかし、多くのシュートチャンスを作った横浜FMだったが、この日は新潟GK小島亨介の驚異的な活躍もあり、1点が遠かった。結果的に得点は許さなかったものの、0-0のスコアレスドローに終わり、11月25日に名古屋グランパス戦を控える首位の神戸との勝ち点差を「1」縮めることしかできなかった。
角田は「結果がすべてのゲームでしたし、そのなかで勝ち切ることができなかった。本当に今日はそこに尽きると思います。攻め手もありましたし、きちんとオーガナイズできていたなかで点を取れなかった。今年そういうゲームを何回も繰り返してしまっているので、それがこの最後の最後に出てしまったのが、悔しいですね」と、唇を噛んだ。
そして、「去年の終盤、同じようなシチュエーションで、ホームで2連敗した時期もありました。そういう経験もあったなかで、その時にいた選手たちがもっとゲームをコントロールしないといけなかった」と、反省点を述べた。
この痛恨のドローにより、25日に行われる試合で神戸が名古屋に勝利すれば、その時点で神戸の初優勝が決まり、横浜FMの連覇はなくなる。それでも、結果が出るまでは諦めないと角田は言う。「喜田(拓也)選手もセレモニーで言っていたように、誰1人諦めている選手はいません。本当に他力にはなりましたけど、リーグ戦はあと1試合、ACL(AFCチャンピオンズリーグ)はあと2試合残っているので、今シーズンやってきたすべてを出せればいいかなと思います」とシーズン残り3試合に集中する。
(河合 拓 / Taku Kawai)