浦和スコルジャ監督、今季限りでの退任に言及 「いい時間を過ごしていたので難しい決断だった」
11月21日に今季限りでの退任が発表
J1浦和レッズのマチェイ・スコルジャ監督は、11月23日に定例のオンライン会見を実施。今季限りでの退任が決まって初めての機会になったが、「将来的に浦和との縁がまたあれば非常に嬉しい」と話した。
【注目】白熱するJリーグ、一部の試合を無料ライブ配信! 簡単登録ですぐ視聴できる「DAZN Freemium」はここから
スコルジャ監督はポーランドリーグで4回優勝の実績を持ち今季就任。前任のリカルド・ロドリゲス監督のチームをブラッシュアップしながら、その体制で決勝進出を果たしていたAFCチャンピオンズリーグ(ACL)でサウジアラビアの強豪アル・ヒラルを破って浦和に3回目のアジア制覇をもたらした。リーグ戦でも最少失点級の守備力を維持しながら優勝争いに加わった。しかし、11月21日に今季限りで退任することが発表された。
会見冒頭でスコルジャ監督は「今シーズンが終わってから、私の優先順位を変え、仕事ではなく家族を優先したいと決めた。母国のポーランドに浦和との契約が終わるところで戻りたい。そして、この日本という国、Jリーグ、浦和でいい時間を過ごしていたので難しい決断だった。キャリアの中でも最も重要な経験をここでしている。非常に申し訳ない気持ちでいっぱいだが、今シーズンが終わったところで数か月は家族と一緒に過ごしたい。それが5か月か6か月か分からないが、それが終わったところでまた仕事をしたい。将来的に浦和との縁がまたあれば非常に嬉しい」と話した。
今季の浦和は、1シーズン制としては2014年以来のリーグ優勝争いに加わった。ルヴァンカップでも決勝戦に残るなど充実したシーズンと言える時間を過ごしたが、得点力不足は引き分けの多さにつながった。指揮官は「私が今季で満足できなかったのは、ビルドアップからの攻撃面だった。もう少し時間があればという側面もある」と話す。
本拠地の埼玉スタジアムは「特別なものを持っている」
一方で、プレシーズンにMF松尾佑介がベルギー移籍、昨季活躍した元スウェーデン代表MFダヴィド・モーベルグが不調を極めて夏には移籍といった誤算もあった。スコルジャ監督は「今シーズンの後半戦は重要な選手の怪我など、不運なこともあった。大久保智明や関根貴大の離脱、中島翔哉や安部裕葵に関してはもっと早い段階でプレーできるように準備したかったが、遅くなってしまった。攻撃のレベルを守備のレベルと同じくらいまで押し上げることができれば、優勝争いもできるだろう」と話したが、サイドハーフの枚数不足により大久保と関根に負担が重くなり、今夏獲得の中島と安部が満足のいく稼働率にならなかったことは苦しい要素だった。
今季の公式戦ホームゲームは残り2試合だが、11月8日のACL浦項スティーラーズ(韓国)戦でレッドカードを受けて退席処分となったスコルジャ監督は大会2試合のベンチ入り停止。そのため、25日のリーグ第33節アビスパ福岡戦が埼玉スタジアムのベンチで指揮を執るラストゲームになる。
指揮官は「言葉にするのは難しいですね」としながら、「サポーターと一体となる特別な感覚がある。サポーターの方々も、いつチームを後押しするのかをよく分かっていると思う。例えば、いつ相手にプレッシャーを感じさせるのかも。このスタジアムは特別なものを持っている」と、“マジカル・スタジアム”と繰り返してきた浦和のホームへの思いを話した。
ルヴァンカップの決勝で敗れた相手でもある福岡戦に向け、「集中して戦って3位というポジションを死守したい。リーグでトップ3で終わるのは重要な目標。福岡戦は非常に大事な試合になる。最終的な結果に関しては、この試合を戦った上で出るものだが、3位で終われば今シーズンは悪くなかったと言えるだろう。6位で終わったなら非常に失望する結果になる。今季の運命を決定づける試合だと思っている」と強い決意を話していた。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)