日本代表、アジア杯の無闇なフルメンバー招集はマイナス? OBが推察「立場が危うい選手にとって…」【見解】
【専門家の目|金田喜稔】最長で約1か月を戦うアジアカップ、浮上する海外組招集問題
森保一監督率いる日本代表(FIFAランキング18位)は、現地時間11月21日に中立地のサウジアラビア・ジッダで行われた2026年北中米ワールドカップ(W杯)アジア2次予選でシリア代表(同92位)と対戦し、5-0で勝利した。「天才ドリブラー」として1970年代から80年代にかけて活躍し、解説者として長年にわたって日本代表を追い続ける金田喜稔氏は、24年1月にカタールで行われるアジアカップの日本代表メンバー招集問題について見解を述べている。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)
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23年の公式戦全10試合を戦い終えた日本は、24年元日にタイ代表と国際親善試合を行い、1月にカタールで開催されるアジアカップに挑む。
日本は1月14日のグループリーグ第1戦でベトナム代表、同19日の第2戦でイラク代表、同24日の第3戦でインドネシア代表と対戦。グループ突破後に決勝トーナメントを順調に勝ち上がれば、2月10日(日本時間)にアジアの覇権を懸けて決勝を戦う。
最長で1か月近く拘束されるなか、浮上するのがシーズン途中での離脱を余儀なくされる海外組の招集問題だ。
金田氏は「招集の大前提として、まず森保監督がどう考えるか。そして所属クラブとの交渉がある。海外組は招集されれば素直に嬉しいだろうし、当然全力でアジアカップ制覇を狙いにいくだろう」と語る一方、招集を巡る選手の葛藤に切り込んだ。
「ただし、海外クラブで立場が危うい選手にとっては、アジアカップで1か月近く所属クラブを離れるのは致命的な問題になりかねない。アジアカップ後に戻っても、すでにポジションが奪われていれば出番が失われ、結果的にその選手の成長に大きな影響を及ぼす。無闇なフルメンバー招集は将来的にマイナスになり得る。こうなると、選手個々のケースによって招集するかどうか話は変わってくる。所属クラブの判断もあるが、まずは森保監督や日本代表スタッフと選手が話し合って方向性を決めるはずだ」
日本はアジアカップで過去最多4度の優勝を誇り、2011年カタール大会以来となる3大会ぶり5度目の優勝を目指すなか、金田氏は国民を巻き込む熱狂を求めた。
「海外組の事情も考慮すれば厳選した海外組をベースに、Jリーグで活躍している国内組を多く入れた編成だろうか。パリ五輪世代などの有望株も数人入れられれば理想的だ。海外組の一部は未招集として割り切る必要があるかもしれない。いずれにせよ、限られた条件のなかで優勝を狙えるベストメンバーを組んでもらい、日本代表にはやはりアジアカップで優勝してもらいたいという思いがある。日本国民を巻き込む熱狂を期待したい」