シリア戦出場組のサウジ合流も一案だった 日本代表、欧州組に見えた疲労の色…11月シリーズで表面化したマネジメントの課題【現地発】
W杯アジア予選は危なげなく2連勝でスタート
森保一監督率いる日本代表は、北中米ワールドカップ(W杯)アジア2次予選のミャンマー代表、シリア代表と対戦した11月シリーズで2連勝を飾った。これで6月から8連勝となり、日本代表の連続勝利記録で最多タイに並んだ。格下相手にそれぞれ5得点の大勝となり、新たな選手もアピールに成功。そのなかで、浮き彫りになった課題に注目する。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小杉舞)
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中立地のサウジアラビア・ジッダで行われたシリア戦。相手サポーター約6000人が駆け付けた“敵地”での快勝劇だった。前半32分、久保が弾丸ミドルシュートで先制点を奪うと、同37分にMF伊東純也からFW上田綺世が右足で合わせて追加点。3分後には再び伊東のパスに再び上田が押し込んでこの日2点目を決めた。後半立ち上がりに久保とDF菅原由勢が“トリックFK”を決めて、追加点。終盤には伊東のアウトサイドのパスに途中出場のFW細谷真大がA代表初ゴールでダメを押した。
チームは11月16日にミャンマー戦を終え、そのままサウジアラビア入り。到着した17日はホテルで汗を流し、18日からピッチで練習した。練習がスタートする17時半頃には日が暮れ始め、気温も30度を下回るが紅海に面する第2の都市ジッダは湿度の平均が60%にも上る。選手はやはり“蒸し暑さ”を感じていた。
暑熱対策で練習は普段カタールでプレーするDF谷口彰悟を除いてほとんどの選手が長袖を着用。日本にいる時からサウナに入り、調整してきた。普段欧州でプレーする選手はサウジでの戦いを見据えて、帰国時には時差ぼけを戻すことなく、ミャンマー戦に臨むなど工夫も凝らした。DF町田浩樹は「午前中とか完全に寝ちゃって、夜ちょっと夜ふかしするみたいな感じで調整した」と話していた。
それだけ、欧州組が1度帰国して再び中東への長距離移動するのは大変なこと。MF南野拓実は「ちょっと移動の疲れとか、そういうのは残っています。いつもより回復しきれていないなっていうのはある」と漏らした。
正直、サウジ入りしてからどの選手からも疲労の色が感じられた。W杯予選初戦ということもあったが、DF冨安健洋のミャンマー戦ベンチ外を含めて、シリア戦の出場を予定していた欧州組はサウジでの合流がよりいいマネジメントだったのではないかと思う。ただ、今回の調整が最終予選に生きてくるとなれば、無駄な経験ではなかったとも言える。
森保ジャパンは10月、11月シリーズと怪我人が続出している。まだまだ2次予選は続く。完全な新チームで臨むことはこれまでの積み上げもあり、難しいことになると思うが、なるべく長距離移動や時差など選手に負担がないマネジメントに挑戦するのも新たな一手となるかもしれない。