森保ジャパンのポジション別「最新序列」 左サイドで“明暗”…ボランチに現れた新戦力が実力発揮【現地発】
W杯アジア予選は危なげなく2連勝でスタート
森保一監督率いる日本代表は、北中米ワールドカップ(W杯)アジア2次予選のミャンマー代表、シリア代表と対戦した11月シリーズで2連勝を飾った。これで6月から8連勝となり、日本代表の連続勝利記録で最多タイに並んだ。格下相手にそれぞれ5得点の大勝となったが、新たな選手もアピールに成功したなかで「最新序列」に注目。11月シリーズを受けて、森保監督の評価を上げたと考えられる選手は「↑」を付けた。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小杉舞)
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<GK>
◎鈴木彩艶(シント=トロイデン)↑
〇大迫敬介(サンフレッチェ広島)
△前川黛也(ヴィッセル神戸)
△シュミット・ダニエル(シント=トロイデン)
△中村航輔(ポルティモネンセ)
△谷 晃生(ガンバ大阪)
△小島亨介(アルビレックス新潟)
※◎=主軸候補、〇=準レギュラー候補、△=その他検討候補
今回の起用法から鈴木への期待が大きく感じられる。パリ五輪世代の守護神はベルギーで着実に経験を積み、そのスケールの大きさやキックの質の高さを発揮。守護神争いは熾烈だが、ここに来て1歩リードしたと見られる。
<DF>
◎菅原由勢(AZアルクマール)↑
◎冨安健洋(アーセナル)
◎板倉 滉(ボルシアMG)
◎伊藤洋輝(シュツットガルト)
〇毎熊晟矢(セレッソ大阪)↑
〇中山雄太(ハダースフィールド・タウン)
〇谷口彰悟(アル・ラーヤン)
〇町田浩樹(ロイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズ)↑
△渡辺 剛(ヘント)
△橋岡大樹(シント=トロイデン)
△森下龍矢(名古屋グランパス)
△相馬勇紀(カーザ・ピアAC)
△酒井宏樹(浦和レッズ)
△瀬古歩夢(グラスホッパー)
△バングーナガンデ佳史扶(FC東京)
△山根視来(川崎フロンターレ)
△半田 陸(ガンバ大阪)
△角田涼太朗(横浜F・マリノス)
△藤井陽也(名古屋グランパス)
※◎=主軸候補、〇=準レギュラー候補、△=その他検討候補
森保ジャパンの最終ラインは固まりつつあるが、谷口や町田を含めた“バックアップ組”が安定感を増している。板倉が手術を受けたため不参加となった今シリーズ。アジアカップに向けて、板倉の状態が不透明な状況で軸の冨安に続いて2人が頼もしい存在になっている。なかでも町田はまだ経験は浅いが着実に出場時間を伸ばして、クローザーとしての役割も果たした。
さらに今シリーズは右サイドバック(SB)の競争が見ものだった。ミャンマー戦で毎熊が積極性をどんどん出し、出場を重ねるごとに自信を付けているように感じた。シリア戦では菅原が久保とのトリックフリーキック(FK)で代表初ゴールをマーク。プレースキッカーとして新たな可能性を見出した。
ミャンマー戦で2列目が躍動…伊東は圧巻
<MF>
◎遠藤航(リバプール)
◎伊東純也(スタッド・ランス)↑
◎三笘 薫(ブライトン)
◎守田英正(スポルティング)
◎久保建英(レアル・ソシエダ)↑
〇鎌田大地(ラツィオ)↑
〇中村敬斗(スタッド・ランス)
〇旗手怜央(セルティック)
○堂安 律(フライブルク)↑
〇南野拓実(ASモナコ)↑
〇前田大然(セルティック)
〇田中 碧(デュッセルドルフ)
△佐野海舟(鹿島アントラーズ)↑
△伊藤敦樹(浦和レッズ)
△川辺 駿(スタンダール・リエージュ)
△西村拓真(横浜F・マリノス)
△奥抜侃志(ニュルンベルク)
△相馬勇紀(カーザ・ピアAC)
△瀬古歩夢(グラスホッパー)
△川﨑颯太(京都サンガF.C.)
△川村拓夢(サンフレッチェ広島)
※◎=主軸候補、〇=準レギュラー候補、△=その他検討候補
ミャンマー戦では鎌田、堂安、南野の2列目がそれぞれ攻撃を活性化。鎌田のミドルシュートや南野のアイデア豊富な2アシスト、堂安も意地の一撃を決めた。シリア戦では伊東が貫禄の4アシスト。特に細谷へ送ったアウトサイドのパスは左サイドから。南野や堂安の投入次第で左サイドでのプレーもあると、もともと準備していたため「思ったよりすんなり入れた」というが、圧巻のアシストだった。伊東の左、中央に南野、右に久保の並びは、人員不足となっている左サイドの穴を埋めるという意味でも森保ジャパンの新たなオプションとして楽しみ。一方、ミャンマー戦で左サイドを務めた相馬にはもう少し奮起を期待したかった。
ボランチは追加招集となった佐野は途中出場ながら臆することなくセカンドボールを奪取したり、シュートを放ったりと持ち味を発揮。生き残りを懸けて“気概”を感じられた。森保監督もシリア戦後の会見で名前を出すなど、大きな印象を残したことだろう。
熾烈な1トップ争いで主軸候補の誕生
<FW>
◎上田綺世(フェイエノールト)↑
〇浅野拓磨(ボーフム)
〇古橋亨梧(セルティック)
○前田大然(セルティック)
△細谷真大(柏レイソル)↑
△町野修斗(ホルシュタイン・キール)
※◎=主軸候補、〇=準レギュラー候補、△=その他検討候補
2戦5発の上田は文句なし。2試合連続で出番を掴み、しっかり起用の期待に応えた。パリ五輪世代のエース細谷真大はE-1選手権以来の出場となったなか、伊東のアシストを無駄にしない決定力で嬉しいA代表初ゴール。1トップ争いは熾烈だが、浅野や古橋らを脅かす存在へとなっていくだろう。