森保ジャパン、シリア戦出場全16選手「パフォーマンス査定」 1G1A久保、2G上田、4A伊東…文句なしの“5つ星”は?

シリア戦の出場メンバー16選手を5段階査定【写真:Getty Images & 徳原隆元】
シリア戦の出場メンバー16選手を5段階査定【写真:Getty Images & 徳原隆元】

シリア戦の出場メンバー16選手を5段階査定

 森保一監督率いる日本代表は、現地時間11月21日に中立地のサウジアラビア・ジッダで行われた北中米ワールドカップ(W杯)アジア2次予選でシリア代表と対戦し、5-0で勝利した。6月から8連勝で日本代表の最多連続勝利記録に並んだ。

 日本はGKに鈴木彩艶を据え、最終ラインは右から菅原由勢、谷口彰悟、冨安健洋、伊藤洋輝を揃えた。遠藤航と守田英正、久保建英の中盤に両翼には伊東純也と浅野拓磨のスピードスターコンビ。1トップは16日ミャンマー戦でハットトリックを達成した上田綺世が2試合連続で先発を飾った。

 試合は序盤からペースを握るもなかなかこじ開けられず。苦しい展開になりかけたところで久保が自身W杯予選初ゴールとなる弾丸ミドルシュートを決めた。このゴールを皮切りに上田が2ゴールをマーク。後半立ち上がりには久保発案の“トリックフリーキック(FK)”を菅原が決め、仕上げにパリ五輪世代FW細谷真大がA代表初ゴールを決めた。全5ゴールのうち伊東が4アシストを記録。中東で日本の圧倒的なパフォーマンスが光った。

 ここでは各選手たちのパフォーマンスを振り返るべく、出場16選手を5段階評価(最高が5つ星★★★★★)で査定する。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小杉舞)

   ◇   ◇   ◇

<GK>
■鈴木彩艶(シント=トロイデン)=★★★★☆
 国際Aマッチ3試合目の出場でW杯予選デビュー。空中戦の強さは圧倒的で、スケールの大きさ、足もとの上手さが光っていた。新たな時代の幕開けを感じさせる存在感だった。

<DF>
■伊藤洋輝(シュツットガルト)=★★★☆☆
 左サイドバックから果敢に攻撃参加していた。先制点の起点となり、チームの2点目はクロスで伊東へドンピシャのパス。後半に相手と1対1になった時には、冷静にブロックし、シュートまで持ち込ませなかった。

■谷口彰悟(アル・ラーヤン)=★★★☆☆
 相手のチャンスは数少なかったが、カウンターのリスクマネジメントで冨安をしっかりフォロー。終盤にクリアミスがあったが、芝やボールの違いに戸惑ったか。それでも守備の安定感は問題なし。

■冨安健洋(アーセナル)=★★★☆☆(→後半30分OUT)
 最終ラインを牽引するディフェンスリーダーとしての出来はさすが。鋭い縦パスを通して攻撃のリズムを変えたり、時間を使ったりとプレミアを経験する巧者ぶりがチームにとっては大きかった。

■町田浩樹(ロイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズ)=※出場時間短く採点なし(←後半30分IN)
 ミャンマー戦に続き2試合連続での出場。徐々に出場時間が増えているのは毎回高い水準のパフォーマンスを続けているから。クローザーとしての役割を果たした。

■菅原由勢(AZアルクマール)=★★★★☆
 A代表初ゴールは記録にも記憶にも残る一撃。久保とのトリックFKは決めた時間帯も絶妙だった。前日から練習を重ねていたとおり、W杯予選の舞台でも“有言実行”の力強さ。今後も久保とともにプレースキッカーとして日本代表の武器になっていくことだろう。

MOMは圧巻4アシストの伊東、久保も1G1Aでアイデアが光った

<MF/FW>

■遠藤 航(リバプール)=★★★☆☆(→後半38分OUT)
 相手のカウンターも最終ラインに持ち込ませる前に奪い切り、何度もいい守り→いい攻撃につなげた。後半は前にも絡んでいき、さらに攻撃陣の躍動を引き立てた。

■田中 碧(デュッセルドルフ)=※出場時間短く採点なし(←後半38分IN)
 遠藤の後釜として危なげないプレーを発揮。2試合通して守備を求められる場面が多かったが、攻守で良いバランスを保っていた。

■守田英正(スポルティング)=★★★☆☆
 前線で積極的に攻撃に関わった。芝やボールの違いはあったもののシュートの精度が上がれば、より脅威になってくる。

■伊東純也(スタッド・ランス)=★★★★★
 驚異の4アシスト。正確なクロス、アウトサイドでの美パス、頭での落とし……とバリエーション豊かなアイデアでゴールを演出。左サイドに回ってから、柏の“後輩”細谷の初ゴールを演出したアウトサイドのパスは思わず声が出る一級品でMOMの活躍だった。

■久保建英(レアル・ソシエダ)=★★★★★(→後半30分OUT)
 W杯予選初ゴールの弾丸ミドル弾、菅原のトリックFKをアシストと大活躍。序盤、相手の堅い守備を徐々に崩していって、苦しい展開になる前に自らが完璧なゴールを決めた。ベンチに下がるまで素晴らしいパフォーマンスだった。

■堂安 律(フライブルク)=※出場時間短く採点なし(←後半30分IN)
 時間帯も難しいなか、展開を読んで逆サイドへのパスなど正確な左足を見せた。出番は短かったが、ミャンマー戦の躍動があっただけに今後に期待したい。

エース道を突き進む2戦5発の上田、次世代を担う細谷も初ゴール

<MF/FW>

■浅野拓磨(ボーフム)=★★★☆☆(→後半21分OUT)
 三笘の穴を埋める左サイドでの出場。スピードで相手に勝ち切る姿は何度も見られ、特に守備での貢献が光っていた。2点目の起点になったが、本人は得点を決めたかっただろう。

■南野拓実(ASモナコ)=★★★☆☆(←後半21分IN)
 フレッシュさを生かして攻守に奔走。練習では左サイドでもプレーしていたが、中央でのプレーは生き生きしていた。

■上田綺世(フェイエノールト)=★★★★☆(→後半21分OUT)
 この日も2ゴール、11月シリーズは2戦5発とストライカーとして完璧な仕事をやり遂げた。追加点がほしい時間帯で畳みかける決定力の高さ。頼もしい大黒柱へ成長が見て取れる2試合となった。

■細谷真大(柏レイソル)=★★★★☆(←後半21分IN)
 パリ五輪世代期待のFWがA代表でも決めた。初ゴールは“先輩”伊東のパスを正確に胸トラップで落として右足を振り抜く一発。1トップ争いは熾烈で古橋亨梧や前田大然もいるが、将来のエース候補として五輪前からどんどん食い込んできてもらいたい。

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