悲願の初タイトルを狙う“川崎のヨシト” 「もっとできた」とベスト4以降の爆発を宣言

FC東京戦で見せた“点取り屋の嗅覚” 貴重な先制弾で準決勝に導く

 昨季までJリーグ3年連続得点王のエースが、置き土産となるタイトル獲得へ貴重なゴールを奪った。24日の天皇杯準決勝で川崎フロンターレのFW大久保嘉人は、FC東京から前半20分に先制ゴールをマーク。2-1の勝利に大きく貢献した。

 170センチとセンターフォワードにしては小柄なストライカーが、なぜここまでゴールを量産できてきたのかを示すような1点だった。前半20分、川崎は右サイドからDF田坂祐介がクロスを上げると、大久保はファーサイドに構えていたところから一気に加速。FC東京DF室屋成の前に入り込むと、そのまま勢い良くジャンプしてクロスに飛び込んだ。ボールは頭には合わなかったが、とっさに大久保は膝でボールを捉えると、そのままゴールへ押し込んだ。

「背が小さいのでDFより先に触ろうと思って。良いボールが飛んできました」

 試合後の大久保はゴールを振り返って事もなげに語ったが、ポジション争いの駆け引きからボールの軌道に対して切り替える瞬間の判断、それを膝で捉えてゴールの枠に飛ばすシュート技術の高さという、ストライカーとしての能力が凝縮された一撃だった。

 川崎は11月12日の4回戦で浦和レッズとの激戦をPK戦の末に制したが、29日のJリーグチャンピオンシップ準決勝では鹿島アントラーズに0-1で敗れた。そこから初の公式戦だっただけに、「今日は本当に久々の試合で体がどう持つかと思いましたけど、次はもっといい形で入っていけると思います。細かくパスをつないで、もっとできたと思いますけど、久々のゲームにしては良かった」と、チームが準決勝以降でさらなる上昇気流に乗ると宣言した。

 

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