かつて柿谷曜一朗のライバルと言われた男 河野広貴が19日のC大阪戦に秘める2つの思い
C大阪を率いるのは因縁の人物
「この2年間まったく試合に出られなかった。“あの人”に対して嫌いとかそういう気持ちはないよ。でも、使ってもらえなかったことに、何も思わないヤツなんていないよ」
その言葉を向ける“あの人”は今、C大阪のベンチにいる。それは昨季まで東京で指揮を執っていたランコ・ポポヴィッチその人だ。
今季のチーム始動後、声を弾ませて「マジで楽しいよ」と言い続けてきた。それは、昨シーズンまでの河野とは、あまりにも対照的な姿だ。
自らの存在意義を見せられぬまま、東京で2シーズンを過ごしてきた。FC東京のライバルクラブである東京Vからの移籍は、多くのエネルギーと疲労が伴った。そこまでしての決断だったにも関わらず、ときには本意ではないボランチでのプレーも強いられ、得意のドリブルをしようとすると、ポポヴィッチからは怒号が飛んできた。
2年前、同時に加入した選手たちが順調に主力となる中、一人取り残された思いでいた。行き詰まり、「どうせ出られないから」と吐き捨てることもあった。だが、その時間もいまは「無駄じゃなかった」と思える。河野は苦笑いで語った。
「移籍してからはホント最悪な毎日だった。でも、ヴェルディのときのままじゃ、ダメだったと思う。ここで幅を広げることができたし、そういう意味ではポポには感謝もしているよ」