「強い気持ちが見えた」 堂安律、意地のダメ押し弾も…日本代表OBはさらなる活躍を要求「10番を着けたなりの活躍を」【見解】
【専門家の目|栗原勇蔵】伊東純也、久保建英、堂安律のポジション争いは熾烈
森保一監督率いる日本代表は、11月16日に行われた北中米ワールドカップ(W杯)アジア2次予選初戦でミャンマーに5-0で快勝した。MF堂安律は右サイドハーフでフル出場してチーム5点目を奪取したが、日本代表OB栗原勇蔵氏は、「ゴールしたいという強い気持ちが見えた」と見解を述べている。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)
◇ ◇ ◇
日本は守備を固めるミャンマーを相手に、1トップに入ったFW上田綺世がハットトリックを達成。4-1-4-1システムの右サイドハーフに入った堂安は、2-0で迎えた前半アディショナルタイムに意表を突くスルーパスで上田のこの日2点目を演出すると、後半41分には後方からのパスを鮮やかなトラップで収めてダメ押しの5点目を奪い、ミャンマーに引導を渡した。
10月シリーズはコンディション不良で招集が見送られ、10番も空き番に。今回の11月シリーズで代表復帰し、再び10番を背負った堂安は、上田と並んでチーム最多タイのシュート6本(前半5本、後半1本)を放ち、積極的な姿勢を見せた。
元日本代表DF栗原氏は、「ミャンマー戦に関しては、とにかく1点でもゴールしたいという強い気持ちが見えた」と語る。
「そのなかで(ゴールを)取ったか取らないかは、本人としても、チームとしても全然違います。そういう意味では、1ゴールできて良かったんじゃないかなと思いますけど、相手が相手なので正直なんとも言えない部分はあります。もっと早い時間に取っていれば、2点、3点取れていたかもしれない」
MF伊東純也、MF久保建英をベンチスタートで温存したなかで、スタメンで起用された堂安がアピールしたことは意義がある。一時はポジション争いで“劣勢”とも言われたが、栗原氏は堂安の気持ちの強さを高く買う。
「伊東は縦、堂安は中も行けるタイプだと思うけど、右サイドには久保もいる。みんなレベルが高いので、(招集)枠に余裕があるんだったらその時に調子のいい選手を使うのがいいかもしれません。ミャンマー戦は相手が守りに守っているので評価が難しいですけど、堂安は気持ちが強く、大舞台でやりそうな雰囲気を持っている。日本の中で10番は特別な番号というのはみんな知っているなかで、その重責を果たせると思っている選手が着ければいいし、例えば久保に絶対着けさせろということもない。背番号でサッカーをやるわけじゃないとはいえ、10番を着けて活躍したら凄いと余計かっこよくも見えるし、そういう番号ではあるのは間違いない。着けたら着けたなりの活躍を見たいですね」
昨年のカタールW杯でもドイツ、スペインと世界的強豪相手にゴールを奪い、その名を轟かせた堂安。ライバルたちとのチーム内競争で自分を磨き、不動の10番を目指す。
栗原勇蔵
くりはら・ゆうぞう/1983年生まれ、神奈川県出身。横浜F・マリノスの下部組織で育ち、2002年にトップ昇格。元日本代表DF松田直樹、同DF中澤佑二の下でセンターバックとしての能力を磨くと、プロ5年目の06年から出場機会を増やし最終ラインに欠かせない選手へと成長した。日本代表としても活躍し、20試合3得点を記録。横浜FM一筋で18シーズンを過ごし、19年限りで現役を引退した。現在は横浜FMの「クラブシップ・キャプテン」として活動している。