鎌田インサイドハーフは課題あり? 日本代表OBが指摘「いい采配だったとは思うけど…」【見解】
【専門家の目|栗原勇蔵】前半45分間は低い位置でボールを持って攻撃の起点に
森保一監督率いる日本代表は、11月16日に行われた北中米ワールドカップ(W杯)アジア2次予選初戦でミャンマーに5-0で快勝した。日本代表MF鎌田大地は中盤で先発出場して、前半にチーム2点目をマークしたが、元日本代表DF栗原勇蔵氏は鎌田のインサイドハーフ起用について見解を述べている。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)
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日本は守備を固めるミャンマーを相手に、1トップに入ったFW上田綺世がハットトリックを達成。4-1-4-1システムでMF南野拓実と並んでインサイドハーフに入った鎌田は1-0で迎えた前半28分にMF田中碧からのパスを受け、左足のミドルシュートをゴール右に突き刺した。日本は前半に3-0と大きくリードを奪ったなかで、鎌田はハーフタイムにベンチに下がった。
ボール支配率72.0%対28.0%、シュート数24対0と圧倒したなかで、鎌田は前半に攻撃の起点となった。日本代表OB栗原氏は、「ミャンマーのような引いてくる相手には鎌田がトップ下ではなく低い位置でもらって、アイデアを発揮するほうがいいと思います。裏にスペースがあまりないなかで、バイタルを使うのが上手い選手だと思うし、そこは狙いどおりのいい人選・采配でした」と、森保監督の采配を支持した。
もっとも、ミャンマー相手には「誰でもある程度できる」との見解も示し、鎌田を2列目よりも下げて使うのは、この試合だけではオプションと判断するのは難しいと話す。
「ミャンマーは日本にボールを持たせてもいいから、固めてゴール前で防ごうという感じだったと思うけど、上田の高さや強さだったり、鎌田のミドルが決まったことで、プランは崩れたと思うし、そうなってくると鎌田や堂安がより生きる時間が多かった。鎌田のインサイドハーフを1つのオプションにするには、ミャンマーよりも上の相手だとしても使えるのが前提。今日だけでは判断できないし、意味を成さない。とはいえ、コンビネーションとか成功例は残像として残るはずなので、格下相手に引かれて戦う、先制されて引かれた時も見据えると、意味はあったかなと思います」
来年6月まで続く2次予選で、森保監督は鎌田をどのように使っていくだろうか。
栗原勇蔵
くりはら・ゆうぞう/1983年生まれ、神奈川県出身。横浜F・マリノスの下部組織で育ち、2002年にトップ昇格。元日本代表DF松田直樹、同DF中澤佑二の下でセンターバックとしての能力を磨くと、プロ5年目の06年から出場機会を増やし最終ラインに欠かせない選手へと成長した。日本代表としても活躍し、20試合3得点を記録。横浜FM一筋で18シーズンを過ごし、19年限りで現役を引退した。現在は横浜FMの「クラブシップ・キャプテン」として活動している。