森保ジャパン、W杯アジア2次予選“突破”への新戦術オプションを選手が指摘 「超攻撃型3バック」とは?【コラム】
16日のミャンマー戦から北中米W杯に向けた戦いがスタート
2026年北中米ワールドカップ(W杯)のアジア2次予選がいよいよ始まる。森保一監督率いる日本代表は、11月16日にミャンマー代表、21日にシリア代表と対戦。来年6月まで戦いは続く。「FOOTBALL ZONE」では、W杯アジア2次予選の特集を組むなかで、対アジアを戦い抜く“戦術のオプション”に迫る。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小杉舞)
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森保ジャパンは9月の欧州遠征でドイツ代表(4-1)、トルコ代表(4-2)と戦い2連勝を飾った。ドイツ戦では「4-2-3-1」システムでスタートし、後半からDF冨安健洋の発案で3バックに変更。10月のカナダ代表戦では「4-1-4-1」からスタートし、シリーズ通して4バックで戦い抜いた。
今年に入ってからの親善試合では強豪国や難敵などいわゆる「いい相手」と戦うことができた。だが、ここからはアジアとの戦いになる。特に2次予選では「格下」との対戦。森保監督は「しっかり気を引き締めて対戦相手がどこであっても最善の注意を持つ。ベストの力を出さなければいけない」と警戒しつつも、「危機感だけではなく当たり前に勝つというプライドを持って戦わなければいけない」と勝利を重ねることの重要性を説いている。
アジアとの対戦となればやはり相手はブロックを組んで守備を固めてくる可能性が高い。かつての日本代表も突破に苦労した経験がある。そのなかで、9月の欧州遠征の際にMF守田英正が「対アジアのオプション」について話していた。
「攻撃的な3バックの作り方は、僕は1つ持っておかないといけないと思う。うしろ3枚プラス、ボランチ1枚の4枚で守れるような形で、前に(3トップと両ウイングバックの)5枚プラス間に(ボランチの)1枚みたいなイメージがあれば。(3バックでプレーするときには)今はまだ(それぞれの選手が)その配置のままでしかプレーできていない」
アジアの鉄壁守備を突破するためのプラン。森保監督は選手の意見を尊重し、対話を重ねることで柔軟に対応してくれる。9月のドイツ戦でも冨安と話し合うことで後半の最初から3バックで対応し、結果的に4-1の快勝となった。個の力も必要となってくるが、サイド、中央突破とより厚みを持った攻撃を仕掛けるために臨機応変に組み立てながらも、さらなる「超攻撃型3バックのオプション」は必要となってくるだろう。
11月シリーズでは冨安とともに最終ラインを牽引する板倉滉が左足首の手術を受けたために選外となっているが、センターバック(CB)の成長は著しい。谷口彰悟、町田浩樹も安定感を増してきた。イングランド1部リバプールでプレーする遠藤航とともに4人で守り切れる戦力はある。今シリーズは移動もあり練習期間は短いが、来年1月に開幕するアジアカップを含めてこれから戦い続ける予選に向けて「オプション」を構築していくことになるだろう。