香川真司、挑戦中“アンカー抜擢”への心境告白 “正直”な気持ちとは?「楽しさを感じていると同時に…」

C大阪でプレーする香川真司【写真:徳原隆元】
C大阪でプレーする香川真司【写真:徳原隆元】

横浜FM戦は完敗

 セレッソ大阪は11月12日に行われたJ1リーグ第32節の横浜F・マリノス戦に0-2で敗れた。直近2試合では、MF香川真司をアンカーに置いたシステムが機能したこともあり、サンフレッチェ広島と0-0で引き分け、ガンバ大阪には1-0で勝利した。しかし、この試合では横浜FMのMF西村拓真に香川がマンツーマンで付かれると、うまくボールを動かせなくなり、攻撃が停滞した。

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 試合後、香川は「前半はなかなか相手の攻守において、勢いを感じました。こういうラスト3試合という状況で、彼らもさらにギアを1つ上げてきたなと感じました。できれば0-1で耐えたかったというのは、結果論ですが強く感じています。こういうゲームで0-2になると、なかなか難しい。2失点ともミスであったり、そういうのもありましたけれど、実力的にも相手にやられたかなと思います」と、完敗を認めた。

 中盤の底で前を向き、ボールを散らして攻撃を組み立てるアンカーの香川も悪くない。だが、この試合でもFWアンデルソン・ロペスにボールが入った時に抑えられないなど、守備面ではどうしても物足りなさが出てくる。さらに、より相手の守備が厳しいトップ下の位置で特別なプレーができる稀有なタレントでもあることは、これまでのキャリアでも示してきた。年齢的な衰えやコンディションが不十分なためトップ下でプレーできないならともかく、この日、香川は自身の状態について「問題ないですよ。全然問題ない。メディアが、そう(ギリギリで試合に出ていると)書いているだけで、まったく問題ない」と、不安がないことを強調した。

 香川自身はこの先もアンカーや守備的MFでプレーするつもりなのか、トップ下でプレーしたい意思があるのか。「それは正直、わからない」というのが、8番の答えだった。

「今あるベストで僕はやっているので。もちろんアンカーというポジションは初めてですけど、そこでの楽しさを感じていると同時に、前に入って行っていくことは少なくなっている。それは当然。でも、どこのポジションでも、中盤のトップ下、インテリオール、ピボーテ含めて、その状況に合わせてどこでもやれる状態を作っておきたい。チームとして上積みするには、もっと形を作っていかないとマリノスは、それがあったかなと思う。彼らの形が、想像以上にビルドアップ、切り替えもそうですし、徹底していることを、彼らは大一番でも当たり前のことを当たり前にやってきた。そういうところで実力の差が出てしまったことはやっぱり率直に感じる。ポジションに関してはわからないところが正直あるが、個人的にはどっちもやれるような状態、どっちでも高いパフォーマンスを出せるようにやらないといけないし、こういう試合だからこそ、感じたものがありました」

 香川自身がどこでのプレーを望むのかではなく、あくまでもC大阪がどこでプレーする香川を必要としているかが、彼のポジションの判断基準になるようだ。個人ではなく、チームの姿勢は、コンディションについて語った後にも聞かれた。

「こういう試合でやっぱり勝ちたかったし、こういう試合で今シーズンは負けてきた。それは今日の試合前にも言っていたこと。だからこそ今日、勝ちたかった気持ちは強かった。その意味で今日の前半はある意味、今シーズンを表している。こういうチームに勝ちきれなかったのは、僕たちの大きな課題が残ってしまったし、それを受け入れてやるしかない。次の試合に向けて、もっと言えば来シーズンに向けて、残り2試合を集中してやっていきたい」

 少しでもJ1で戦うことが確定している来シーズンを、いい状態で迎えるために。アンカーという新境地でプレーしている香川は、残り2試合でチームと自身の最適化を模索していく。

(河合 拓 / Taku Kawai)



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