「本当にキレキレ。うちに来てほしい」

「（齋藤）学は本当にキレキレだったと思うよ。今の横浜は、学のチームと言っていい。1人で打開できるし、常に怖い選手だった。ファーストステージで当たった時には、あまりコンディションが上がっていなかったけど、セカンドステージで対戦した時は、もう別人だったよね。キレキレ。うちに来てくれないかな？　川崎にも学みたいな選手が入ったら、全然違うよ、本当」

　横浜FマリノスのMF齋藤学は、今季のJリーグ年間ベストイレブンにも選出。シーズン合計10ゴール8アシストを記録し日本代表にも復帰するなど、真骨頂の高速ドリブルでひと際輝きを放った。

「学に直接は言えないから、『川崎に来ない？』って、ZONEの方でアピールしてもらっていい？」

　中村は冗談を交えつつも、川崎への勧誘を惜しまないほど齋藤のプレーに惚れ込んでいる。川崎と横浜FMは”神奈川ダービー”と称されるライバル関係にあるが、中村の”間接的オファー”は齋藤の心を射止め、来季の川崎で強力ホットラインを実現させる可能性はあるのだろうか。

【了】

城福達也●文　text by Tatsuya Jofuku

ゲッティイメージズ●写真　photo by Getty Images