リバプールFWの「精神的な強さ」 誘拐の父親開放を願うディアス、劇的同点弾に同僚&地元紙が賛辞「見事」

母国で反政府系武装組織に誘拐された父親が未だ解放されていない
イングランド1部リバプールのコロンビア代表FWルイス・ディアスは現地時間11月5日に行われたプレミアリーグ第11節ルートン・タウン戦(1-1)に途中出場し、試合終了間際にヘディングで同点ゴールを決めた。母国で誘拐された父親が未だ解放されていない困難な精神状態でピッチに立ち、チームを敗戦から救った。
アウェーに乗り込んだリバプールは後半35分に先制を許した。1点が遠いなかで、ユルゲン・クロップ監督は失点直後にMFライアン・フラーフェンベルフに替えてディアスを投入。すると後半アディショナルタイム5分、ディアスはMFハーヴェイ・エリオットの右クロスにヘディングで合わせて同点ゴールを挙げた。
ディアスの両親は現地時間10月28日にコロンビア国内で反政府系武装組織の民族解放軍(ELN)に襲われた。そのまま父ルイス・マヌエル・ディアスさんが誘拐され、この事件以降ディアスは試合を欠場していた。
そうした困難な状況でピッチに戻ってきたディアスがチームを敗戦から救った。リバプール地元紙「リバプール・エコー」は途中出場だったディアスに10点満点の採点をつけ、「インジュアリー・タイムに同点に追いつく見事なヘディングシュート。このコロンビア人にとって非常に困難だった1週間の終わりに素晴らしい瞬間が訪れた」と絶賛した。
そしてその活躍には同僚選手も脱帽といった様子だ。ブラジル代表GKアリソンは英衛星放送「スカイ・スポーツ」でディアスを称えていた。
「これが彼のキャラクター、精神的な強さだ。彼が今置かれている状況を想像するのは難しい。僕らは彼のそばにいて、サポートし、痛みを理解することはできるが、彼が感じているものは全く別のものだ」
そしてアリソンは「フットボールはときに暗い瞬間や苦しんでいる人々に喜びをもたらすことができるだろう。今この瞬間、ルチョ(ディアス)にとってもフットボールが一片の喜びになっていると思う。僕たちは彼らとともにいる。彼がここに来て、トレーニングし、試合に出て素晴らしいゴールを決めたことは本当に重要なこと。僕らは100%彼と一緒にいる」と同僚へエールを送っていた。