福岡×浦和で議論を呼んだ転倒→PKなし判定 日本代表OBが言及「レフェリーは自信がありそうだった」【見解】
【専門家の目|栗原勇蔵】後半16分、浦和MF伊藤が敵陣ボックス内で倒されるもPKはなし
ルヴァンカップ決勝戦が11月4日に国立競技場で行われ、アビスパ福岡が浦和レッズを2-1で下し、大会初制覇を果たした。後半16分、2点ビハインドの浦和が敵陣ペナルティーエリア内に侵入し、MF伊藤敦樹が倒されるもPKが与えられなかったシーンはSNS上でさまざまな意見が上がったが、元日本代表DF栗原勇蔵氏は「微妙なところですけど、PKはなくていい」との見解を述べた。
試合は前半5分、福岡FW紺野和也が縦へ突破してゴール前を横切る速いボールを入れると、逆サイドからMF前寛之が走り込んで押し込んだ。さらに前半アディショナルタイム、セットプレーの二次攻撃で左サイドから紺野が中央に入れたボールをDF宮大樹が流し込んで2点目を挙げ、ハーフタイムを迎えた。
浦和は後半23分、自陣からのロングボールを相手と競り合いながら胸トラップした明本が左足シュートを蹴り込んで1点を返した。しかし、そのまま福岡が1点差を逃げ切って初優勝を果たした。
そのなかで、後半に議論を呼んだシーンがあった。浦和は2点ビハインドの後半14分、絶体絶命のPKのピンチでGK西川周作がシュートストップ。その後、攻撃に転じて、敵陣ペナルティーエリア内に走り込んだ伊藤が倒されるシーンがあった。
伊藤は背後から福岡DF前嶋洋太に右臀部付近を押されるような形になって進行方向に倒れ込んだが、ボールには触れておらず、中村太主審もビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)との交信こそあったが、ファウルもPK宣告もなく、プレーは再開された。
SNS上では、「伊藤へのファウルなし?」「完全にPK」といった声が上がるなど議論を呼んでいたが、栗原氏は「微妙なところですけど、PKは取らなくていいと思います。おそらく(浦和の)伊藤はスルーしようとしたんじゃないかなと。だからポイントが多少ズレているからPKは取られなかったのではないかと思います。DFとしては、ファウルを吹かれるのもある程度覚悟しないといけないプレーだった気もしますが、レフェリーは(判定に)自信がありそうでしたね」と見解を述べていた。
栗原勇蔵
くりはら・ゆうぞう/1983年生まれ、神奈川県出身。横浜F・マリノスの下部組織で育ち、2002年にトップ昇格。元日本代表DF松田直樹、同DF中澤佑二の下でセンターバックとしての能力を磨くと、プロ5年目の06年から出場機会を増やし最終ラインに欠かせない選手へと成長した。日本代表としても活躍し、20試合3得点を記録。横浜FM一筋で18シーズンを過ごし、19年限りで現役を引退した。現在は横浜FMの「クラブシップ・キャプテン」として活動している。