「まだまだ成長しないと」 福岡MF紺野、ルヴァン杯優勝貢献も…日本代表は「現時点では遠い」
ルヴァン杯決勝で浦和に2-1で勝利
今シーズンの開幕前、FC東京からアビスパ福岡に完全移籍したMF紺野和也は、11月4日に行われたルヴァンカップ決勝戦で2アシストを記録。2-1の勝利に大きく貢献した活躍ぶりは、日本代表の森保一監督も高く評価した。
開始早々の5分に右サイドから縦に仕掛け、シャドーで先発したMF前寛之の先制ゴールを右足でアシストすると、前半終了間際には左サイドから左足のクロスで浦和MF岩尾憲の股を抜き、DF宮大樹のゴールをアシストした。
両サイドからアシストを演出したが、1点目については「今日1回目の1対1で、左を切っていたので思い切って右に行き、速いボールを通せばゴールになるかなと思った」と振り返る。また、2点目の場面も「左サイドだったので、縦に行ってGKとDFの間を狙うか、股抜きかは直前まで迷った。股抜きのほうが通りそうだと思って股抜きを選択して、宮くんが上手く合わせてくれた」と、胸を張った。
後半25分に足がつってベンチに退いた紺野だが、彼の絡んだ2得点がタイトルをもたらした。2020年から3シーズンにわたって在籍したFC東京では、昨季も30試合に出場していたが、ベンチスタートも少なくなかった。
「試合に出られない悔しさはずっとありました。『試合に出たら全然できるな』とはずっと思っていましたが、なかなかチャンスがなくて悔しいシーズンを過ごしてきました。長谷部(茂利)監督が今年、本当に信頼して使ってくれていますし、信頼してくれていることは話していても分かるので、それに応えたい気持ちで今シーズンずっとやってきました。今日は1つ、期待に応えられたかなと思います」
日本代表は「現時点では遠い」
もっとも、決勝で2アシストの活躍にも、本人は満足していない。「やっぱり攻撃の選手なので、今日みたいなプレーは常に求められていると思います。アシストは良かったですが、そのほかのシーンで何回かボールを失うこともあったので、そこは改善点だと思います。今日みたいな大舞台でアシストできたことは良かったですが、まだまだ成長しないといけない部分は多くある」と、課題を口にした。
森保監督が評価していたことを伝えられても、「代表は入れたらいいですけど、自分の今の立ち位置からは遠い存在だと思います。1つ1つ今の置かれている立場で積み上げていって、それが代表につながればベスト。現時点では遠いと思うので、少しずつその差を縮めていければと思います」と冷静に語り、「(上田綺世選手など)大学で一緒にやっていた選手が本当に多く、今、A代表に選ばれているので、いつか一緒にプレーできたらいいなと思います」と、代表を目標には置きつつも、一歩一歩を強調した。
タイトル獲得に貢献したことで福岡に「1つ恩返しができた」と語る紺野は、「タイトルがゼロか1かでは、全く違うものだと思います。チームとしても自信が生まれると思いますし、あとは福岡に住んでいる方たちのアビスパへの見方も変わると思うので、そこは楽しみですし、これからもっと多くの観客の人にスタジアムに来て試合を見てもらえたら一番嬉しいです」と、九州で2番目のタイトルホルダーとなったクラブと街の変化に期待を寄せた。