なぜVVVフェンロは日本人選手を狙うのか 本田圭佑から始まったクラブ戦略の真相
日本人選手獲得にターゲットを絞る
その後、本田に代わる日本人としてVVVは吉田麻也を獲得。それに伴って多国籍化も推進した。初めてナイジェリア人選手を2人獲得したときはオランダ人の情報提供者がいたが、その後は独自のルートを築きムサ(現CSKA)を発掘した。
「本田の移籍交渉でCSKAとの関係も良好になったので、ムサを移籍させるときの話し合いは非常にスムーズにいきました」
優秀な育成システムで知られるポルトとは、VVVに若い選手を貸し出す協定を結んだ。後にポルトガル代表に選ばれるジョズエ・ペスケイラも10-11シーズンに在籍している。
VVVの多国籍化はオランダでも興味を集めた。だが、現場では混乱が起こっていた。言葉、サッカー文化、生活環境の違いにコーチングスタッフも悲鳴を挙げたのだ。
「そこでわれわれは日本に絞ることにしました。同じヨーロッパから来たポルトガルの選手は、オランダに来て最初は活躍したけれど、やがてパフォーマンスが落ちていってしまった。逆に日本人選手は、圭佑、麻也、カレン・ロバートと皆、最初はつまずきましたが、それを克服しどんどん活躍するようになりました。日本人選手のメンタルは素晴らしい。大津にもそれを期待します」