なぜVVVフェンロは日本人選手を狙うのか 本田圭佑から始まったクラブ戦略の真相

 オランダリーグには自国の選手の労働環境を守るため、EU外選手に対する「最低年俸ルール」という独自のルールが存在している。この計算方式は(オランダ人選手の平均給料)×1・5。13-14シーズンの場合、EU外選手を雇うためにクラブが払う最低年俸は45万8000ユーロに上る。小クラブのVVVにとって日本人選手を雇うことは、非常に高い負担を伴っている。

 それでもなお、日本人選手を獲得し続ける意義と仕組みを、ハイ・ベルデン会長に迫った。

 01―02シーズン、VVVは2部リーグで最下位というどん底を味わったが、03年7月に就任したベルデン会長の尽力もあって、07―08シーズンに1部復帰を果たした。

 ベルデン会長が経営する「シーコン・ロジスティックス」は、日本企業との取り引きによって成長した会社だった。そこで、ベルデン会長は「日本人選手を獲得すればチームは強くなるし、クライアントも喜ぶ。オランダでも話題になるだろう」と考えた。

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