“没収された”遠藤航の横断幕は「材料費が約3万6600円」 所有者がリバプールの対応に嘆き「誰が払ってくれる?」

リバプールでプレーする日本代表の遠藤航【写真:ロイター】
リバプールでプレーする日本代表の遠藤航【写真:ロイター】

遠藤に向けた横断幕の没収が問題に「私は完全に打ちのめされている」

 リバプールの日本代表MF遠藤航は現地時間11月1日、リーグカップ(カラバオカップ)4回戦のボーンマス戦に先発出場し、2-1の勝利に貢献した。一方、3日前の10月29日に行われたプレミアリーグ第10節ノッティンガム・フォレスト戦(3-0)で起きた遠藤に向けた横断幕の没収騒動について、英メディアは所有者に取材を敢行。当人は「エンドウの横断幕は、材料費が約200ポンド(約3万6600円)、制作には約20時間も掛かった。誰がその費用を払ってくれるのか?」と嘆いている。

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 ボーンマス戦にアンカーとして先発出場した遠藤は、豪雨による劣悪なピッチ状況の中で守備のタスクを全うし、後半16分までプレー。また、3日前に行われたノッティンガム戦でも後半35分から途中出場し、クローザー役としてクリーンシートに貢献している。一方、ノッティンガム戦では、白地の背景に「WATARU ENDO」と記され、アルファベットの「O」が日の丸のデザインにアレンジされた横断幕がキックオフ前に運営陣に没収される騒動があった。

 FA(フットボール・アソシエーション)が禁止する「国家主義的な旗」への該当が没収の理由とされていたが、実際にはポリシーに違反したものではなかったことが発覚し、クラブは横断幕を持ち込んだサポーターに直接連絡を取り、対応に誤りがあったと認めたうえで、謝罪を申し入れたと伝えられていた。これで今後はようやく遠藤の横断幕をスタンドでお披露目できる、とはいかなかったようだ。

 英メディア「The Athletic」は遠藤の横断幕の所有者であるマーク・スウェットマン氏に取材を敢行。「45歳のスウェットマンはバーケンヘッドに拠点を置く学校の教師であり、手作りの横断幕制作のビジネスにも取り組んでいる。これまでクラブから多くの依頼を受注しており、その商品はリバプールとタイの公式ショップで販売されている」と紹介したうえで、クラブからは“別の理由”で遠藤の横断幕の展示を拒否されたことを明かしている。

サイズの規定違反の指摘に「あまり公平には思えない」

「私は完全に打ちのめされている。日曜日に、エンドウの旗は『国家主義的な旗』で規則に反するので持ち込めないと言われた。この理由については謝罪があったものの、そもそもメインスタンドに横断幕を展示する許可を私に与えるべきでなかったと告げられたんだ。その後、彼らから折り返しの電話があり、引き続き私と協力していきたいが、今後は横断幕のサイズの条件を満たす必要があるとのことで、小さめの横断幕なら受け付けると言われた」

 記事によると、横断幕のサイズは横2mと縦1mという規定があるとのことだが、遠藤の横断幕は横2.4メートル、縦1.4メートルだったという。2016年からメインスタンドで同じように横断幕を掲げてきたスウェットマン氏だが、これまで7年間指摘されなかったサイズの問題を今回のタイミングで言及されたことに不信感を抱いている様子で、「エンドウの横断幕は、材料費が約200ポンド(約3万6600円)、制作には約20時間も掛かった。誰がその費用を払ってくれるのか?あまり公平には思えない」とクラブの対応を嘆いていた。

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