なでしこのパス回し「完全な無気力プレーだ」 中国メディア怒り露わも…母国ファンから異論「何も悪くない」
ウズベキスタン戦の消極的な戦いに中国メディアが問題視
なでしこジャパン(日本女子代表)は10月26日にパリ五輪アジア2次予選のグループC第2戦でウズベキスタンと対戦し、2-0で勝利。最終予選進出へ前進した一方、ボールを保持し、消極的な戦いに徹した奇妙な試合展開に中国メディアは怒りを露わに。「完全な無気力プレーだ」と訴えている。
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日本は前半15分までに2点をリードすると、その後はボールを圧倒的にキープ。試合終了までの75分間、無理にシュートまで持ち込まずパスを回し続ける奇妙な試合展開を繰り広げた。ボール支配率は91%対9%という異例のスタッツとなり、その戦いぶりに賛否が渦巻いている。
中国メディア「sohu」は「日本の女子サッカーチームは2-0の八百長試合を行い、中国の女子サッカーチームを破滅させた」と見出しを打ち糾弾。「この試合は日本チームの完全な無気力プレーだと言える、八百長だった」と怒りを露わにして問題の目を向けている。
そもそも、日本がこうした戦いを選択した背景として、予選のレギュレーションに問題があったことは否定できない。2次予選は3組に12チームが分かれて戦い、各組1位と2位のうち最も成績の良かった1チームが最終予選に進む。日本が1位で最終予選に進出した場合、仮にA組から2チームが勝ち上がると、1位突破が有力のオーストラリアと対戦する。
一方でC組から2チーム進出となり、日本が1位突破となれば韓国、北朝鮮、中国、タイが同居するB組の1位と対戦。日本は女子W杯で4強のオーストラリアと対戦するシチュエーションを回避すべく、ウズベキスタンとの一戦では2点差をつけた時点で積極的にゴールを目指さなかったとされている。
ウズベキスタンの本田美登里監督も「ゴールの統計は次のラウンドに進むために非常に重要であり、この側面から考慮した」と説明。五輪出場権の獲得という大目標を叶えるべく、前述のレギュレーションがある以上、最善策を取る行動は正義と見なされるべきでもある。
中国が怒りを露わにしているのは、C組1位の日本がウズベキスタンに大きなダメージを与えず2位突破のチャンスを与えた点。現在1勝1敗の3位で韓国を最終節で下せば、他会場の結果次第でグループ首位突破の可能性があるものの、北朝鮮が最下位のタイに勝利する可能性が高く、2位での突破を狙うのが現実的だろう。
ウズベキスタンは最終節で格下インドと対戦。大差で勝つ可能性があるだけに、「中国女子の望みを極めて薄くした」と憤慨。もっとも、この記事に対する反応として母国ファンからは「実際、何も悪いことではない。サッカーは強いことに加えて、機知に富んでいなければならない」と、冷静な見解も上がっていた。