リバプールMF、アンカー起用で真価を発揮 クラブ専門メディアが遠藤と比較「はっきりと証明された」
守備的MFの位置でプレーするマック・アリスターの成長を称賛
イングランド1部リバプールは現地時間10月29日、プレミアリーグ10節ノッティンガム・フォレスト戦で3-0の勝利を収めた。アルゼンチン代表MFアレクシス・マック・アリスターはこのゲームでアンカーポジションとして先発しているが、クラブ専門メディアは「クロップは、より本来の守備を重視する選手として遠藤航を起用することを渋っていたが、この試合でその理由がはっきりと証明された」と日本人MFとの違いについて指摘している。
リバプールは今夏、クラブを去った中盤メンバーを一新。マック・アリスター、ハンガリー代表MFドミニク・ソボスライ、オランダ人MFライアン・フラーフェンベルフ、そして守備的MF(アンカー)の役割として日本代表MF遠藤航を新たにチームに迎えた。
アンカーポジションでの起用が期待された遠藤だが、ここまで出場したのはリーグ戦6試合(先発は1試合)、UEFAヨーロッパリーグ(EL)の3試合、そしてリーグカップの1ゲームのみ。特にリーグ戦では同ポジションに、本来一列前の位置を得意とするマック・アリスターをユルゲン・クロップ監督は先発起用している。
29日のノッティンガム・フォレスト戦でも同様の傾向が見られた。守備的MFの位置で出場したマック・アリスターは、ソボスライ、フラーフェンベルフとともに中盤を支配。ノッティンガム・フォレスト相手に3点を奪って勝利を収めている。なお、遠藤は後半35分にFWダルウィン・ヌニェスに代わって途中出場。アンカーとしてプレーし、マック・アリスターが一列上がる形になっている。
このゲームでのパフォーマンスを受け、クラブ専門メディア「Liverpool.com」は「夏の間にリバプールの中盤が進化。運命の巡り合わせで、マック・アリスターはシーズンここまでこの(アンカー)ポジションで起用され続けている。ブライトン戦のように、中盤が蹂躙されるような場面もあったが、フォレスト戦ではマック・アリスターがカギを握っていた」とアルゼンチン人MFの役割を評価している。
記事では「クロップはより本来守備を重視する選手である遠藤航を起用することに渋っていたが、この試合でその理由がはっきりと証明された」と、日本人MFを差し置きスタメンでプレーするマック・アリスターが生み出す効果について説明。「彼はボールへ上手く扱う能力を武器に、後方からボールを支配し、リバプールの先制点をお膳立てする重要な役割を果たした。彼のタックルが素早い反転を生み、その後の(モハメド・)サラーへのパスがリバプールのカウンターを決定的なものにした」と、得点につながる仕事にも脚光を当てている。
そのうえで「なぜ彼がこの新しい役割で活躍できるのかを、自身の力でこの試合を通して示した」と、ゲーム内のデータを紹介。「彼はリバプールで最も多くのデュエルを制し(9回)、2番目に多くのリカバリーをした(11回)」と貢献を伝えた。また、マック・アリスターが入ることで「クロップ監督のチームは深い位置にある相手のブロックに直面しやすくなった」と、相手を引きつけ前線にスペースを作るプレーを絶賛している。
同メディアは「マック・アリスターが中盤のキープ役を長期的に務められるわけではない」とアンカー起用が長い目での解決策ではないことも指摘しつつ「フォレスト戦のような試合ではアルゼンチン人がこのポジションを務めることで、クロップ監督のこれまでの選択肢と比べても、リバプールにとって間違いなく大きなアップグレードとなる」とポジティブに捉えた。慣れないポジションながらも出場を重ねてチームに貢献しているマック・アリスターが、新たな役割でチームを活性化させているようだ。
(FOOTBALL ZONE編集部)