ルヴァン杯ニューヒーロー賞受賞の浦和MF早川が成長に意欲 「1つでも上の舞台に行けるように」

ルヴァン杯ニューヒーロー賞を受賞した早川隼平【写真: 轡田哲朗】
ルヴァン杯ニューヒーロー賞を受賞した早川隼平【写真: 轡田哲朗】

準決勝まで7試合に出場

 浦和レッズのMF早川隼平が、今季のルヴァンカップのニューヒーロー賞を受賞した。10月31日にJリーグから発表され、さいたま市内で記者会見を実施。「ニューヒーロー賞を獲った選手は羽ばたいているので責任を感じるし、見習うべきお手本の選手たちが近くにいるので、追いついていけるように頑張りたい」と、今後への希望を話した。

 早川は今季17歳のユース所属ながら2種登録でトップチームに登録。グループステージの第3節、4月5日の川崎フロンターレ戦での途中出場でトップチームにデビュー。2週間後の第4節、湘南ベルマーレ戦ではプロ初ゴールをマークした。年末時点で21歳以下の日本人選手を1人以上スタメンに含まなければならない大会レギュレーションのなか、準決勝まで7試合に出場してきた。

「可能性はあるかなと頭にはあったので、でも言われた時はビックリというのが一番でした」と受賞を聞いた時の気持ちを話した早川だが、主将のDF酒井宏樹からは「キャプテンとしてお菓子を全部もらうね」と、冗談交じりに声をかけられたという。副賞のヤマザキビスケット社製品1年分から、チームメイトにもお裾分けする考えも話した。また、賞金50万円に関してはチームメイトのMF小泉佳穂から「俺が預かるよ」という声もあったという。周囲から気にかけられる17歳は「これから使い道は考えます」とはにかんだ。

 浦和からは歴代最多6人目の受賞になった。過去の受賞者全員が日本代表での出場歴を持ち、02年受賞のDF坪井慶介、04年受賞のMF長谷部誠、11年受賞のMF原口元気はワールドカップ(W杯)にも出場した。それだけに、早川は「ニューヒーロー賞を獲った選手は羽ばたいているので責任を感じるし、見習うべきお手本の選手たちが近くにいるので、追いついていけるように頑張りたい。プレッシャーは少なからず感じる。今後どうなっていくか自分ではまだまだ分からないけど、1つでも上の舞台に行けるようにと思う」と、喜びと同時に気を引き締めていた。

 すでにAFCチャンピオンズリーグ(ACL)では、アルヒラル(サウジアラビア)との決勝戦でアウェーゲームに途中交代で出場する経験も積んだ。8月10日にはプロ契約を結んだことが発表され、J1リーグ戦でも11試合に出場するなどすでに戦力としてチームに計算されている。そのなかで、自身のプレーについて「自信を持ってプレーできてるのは、セオリーがあるようなチームに対してはできているところがある。ただ、ちょっとセオリーから外れるようなチームには適応できていない。経験もそうだし、これからやるべきことだと思う。自分自身、ここが飛び抜けているところはないと思うので、総合的な判断をしていただけたと思う」と語る。

 11月4日には国立競技場でアビスパ福岡との決勝戦を迎える。早川は「今年1年目で入ってきて、ACLの時はまだ(プロ)契約していなかった。タイトルは選手でプレーしている以上、栄誉なもの。少しでも増やしたい。チームとしても個人としても、絶対に獲るしかないなという気持ち」と意気込んだ。クラブ創設からの初タイトルになった03年の優勝から20年、3回目の優勝を狙う浦和の攻撃陣で17歳の若武者が躍動する姿が期待される。

(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)



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