川崎GKのACL“PK献上”判定、元日本代表と元主審が見解 「威嚇行為で厳密に言えば反則」
川崎GKチョン・ソンリョンが右足を立てて身体をガード
スポーツチャンネル「DAZN」の判定検証番組「Jリーグジャッジリプレイ」で、10月24日に行われたAFCチャンピオンズリーグ(ACL)グループステージ第3節のパトゥム(タイ)対川崎フロンターレ戦で、川崎のGKチョン・ソンリョンのプレーがPKと判定されたものが取り上げられた。
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この場面は後半34分、最終ライン背後に流れたボールをチョン・ソンリョンがキャッチしたところに相手DFライハン・スチュワートは接近。身体を捻りながら右足を立ててブロックしたチョン・ソンリョンのプレーがファウルと判定され、PKとイエローカードが提示された。ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)からの介入もなかった。
ゲスト出演した現役時代に鹿島アントラーズなどでプレーした青木剛氏は、「この映像を見て感じたのは、審判の角度から見た時に相手へかなり接触で膝が入ったかなと。強いて言えば、膝の角度が相手に向いてしまっている印象なのかな」と、主審の目線からの見え方と判断を予想した。
同じくゲスト出演した元日本代表DF坪井慶介氏は「このプレーに関しては、膝を上げるタイミングがちょっと遅すぎたかなと。キャッチした瞬間にガードしながら上げるのはよくある。ちょっと安易だったかなという気はするけど、PKのところだからなぜVARが入らなかったのか。接触は、膝は当たっていないじゃないですか。そこは見るべきかなと。身体を回転させるような回避の仕方もあったので、印象は良くなかった」と、プレー全体について話した。
元国際審判員・プロフェッショナルレフェリーの家本政明氏は、「判断としては難しい」として、「映像を見る限りは、主審の判断ではなく副審がファウル、ペナルティーというのをインカムを通じて言った可能性が高い。事象が起きた時にレフェリーはずっと副審を見ている。おそらく副審から助言をした。レフェリーの延長線上で串刺しなり、正確に捉えられていなかった可能性が高い」と、副審主導で判定されたPKではないかという推察を話した。
そのうえで判定の妥当性については「厳密に競技規則の文言を考えると、反則を取られても仕方ない可能性がある。ファウルとは言い切れないが、右膝がやや相手の方向に向かっているように見える。ブロックだけなら膝を内側にたたむ、よくGKは空中でキャッチしたら怖いから膝を立てるのはあるけど、それは威嚇行為で厳密に言えば反則なので、その判断が近い。本来ならもう少し自分の身体を守るという意味では、膝は相手ではなくゴールライン方向に向ければそういう判断はされなかった。攻撃性の高い行為が相手に向かっていると反則と判断できるので、たとえ接触がなくても相手への威嚇行為と判断できなくもないので、判断が規則上で大きく間違っていると言えない」と解説した。
非常に珍しい場面だったが、坪井氏は「ACLでは普段コミュニケーションを取っているレフェリーとは違うので、少し気を付けないといけない」と、現役時代に浦和レッズでACLに出場した経験を踏まえて話した。