浦和スコルジャ監督「彼らのことは悪く言えない」 スコアレスドロー鹿島戦で今季課題が浮き彫りに

浦和はアウェーで鹿島とスコアレスドロー【写真:Getty Images】
浦和はアウェーで鹿島とスコアレスドロー【写真:Getty Images】

「いい仕事をしてくれたと言うしかない。彼らのことは悪く言えない」

 浦和レッズは10月28日にJ1リーグ第31節で鹿島アントラーズとのアウェーゲームに臨み、0-0で引き分けた。順位状況からは優勝のために勝利以外は厳しい試合だったが、マチェイ・スコルジャ監督が「いい仕事をしてくれたと言うしかない。彼らのことは悪く言えない」と選手たちについて話したように、厳しい試合になった。

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 浦和はMF関根貴大とMF大久保智明が欠場となり、ウイングタイプのプレーヤーを欠いた。関根はリーグ前節の柏レイソル戦で負傷し、大久保は24日のAFCチャンピオンズリーグ(ACL)の浦項スティーラーズ(韓国)戦で復帰2戦目だったが、この試合でプレーできなかった。スコルジャ監督は「大久保や関根がいればまた違う試合、よりリスクを背負うことができたかもしれない。ACLで大久保を使ってしまったことが私のミスだった」と話す。ほかにもFWブライアン・リンセンとMFアレックス・シャルクのオランダ人アタッカーたちも欠場で、攻撃の選択肢が少なかった。

 そうしたなかで、鹿島とは互いに拮抗した試合を演じた。ゴールを予感させる場面は、浦和は前半にコーナーキックからDFマリウス・ホイブラーテンのヘディングシュートが枠内に飛びGK早川友基がセーブした場面。鹿島は後半終了間際にMF樋口雄太がフリーキックを直接狙ってクロスバーをたたいた場面くらいしかなかった。

 試合前時点で首位のヴィッセル神戸と勝ち点8差で残り4試合と、浦和は勝利が必要な試合だった。しかし、指揮官が「我々にとっていい結果は勝利のみだったが、鹿島という良いチームに対して我々は少し足りなかった」として、「試合中は私自身、よりリスクを負うべきかどうかを見ていた。鹿島のウイングにスペースを与えると自分たちのペナルティーエリアが危険になる。その攻守のバランスを考えていた」と話したように、そもそもが難敵であり、この試合を引き分けが許されず勝利が必要なものにしてしまったこと自体がシーズンを通して浦和が招いた厳しい状況だったと言える。

 柏レイソルが試合前時点で単独最多の12引き分けになった試合を受け、スコルジャ監督は「特にホームでのFC東京戦、京都サンガF.C.戦、横浜F・マリノス戦と1点を取っていればという試合があった。そこで勝利できていれば、この時期の私たちの状況は変わっていたと思う」と、いずれもスコアレスドローに終わった3試合が現状に影響した点を指摘した。

 主将のDF酒井宏樹もまた「僕らが招いている状況で、今日を勝たなければいけなくしたのは僕たち自身。その悔しさ、もっと突き詰めていかなければいけなかったというのはある。実感としてはチームとして我慢強く戦えるようにはなっているので、味方を信じてやっていくしかない」と話した。

 31試合を終えての22失点はリーグ最少で、首位神戸の27失点、2位横浜FMの37失点と比較しても堅守ぶりは際立つ。しかしながら、浦和の37得点は神戸の55得点や横浜FMの60得点と比較すると大きな差がある。神戸の引き分けにより残り3試合で勝ち点8差と数字の上で可能性は残り直接対決も残すが、シーズンを通しての課題がピッチ上にも反映された引き分けになった。

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