前半1点、後半2点を奪取

　横浜F・マリノスは10月25日にAFCチャンピオンズリーグ（ACL）グループステージの第3戦でカヤFC（フィリピン）をホームに迎え撃ち、3-0で大会2勝目を挙げた。

　横浜FMは開幕戦で仁川ユナイテッド（韓国）に敗戦し、第2戦は山東泰山（中国）に勝利。第3戦と第4戦は同じ相手との連戦であり、他会場で仁川と山東が対戦するこのタイミングで連敗スタートのカヤFCを相手に勝ち点を伸ばしたい。センターバックに負傷者が続出している横浜FMだが、力量差も見込まれるこのゲームでは両サイドバックの間に本来ボランチの主将DF喜田拓也をリベロとして起用。FW登録の選手を5人スタメンに並べる超攻撃的な布陣で臨んだ。

　横浜FMが完全に押し込んでほぼハーフコートゲームになった立ち上がりだったが前半20分、カヤFCはシンプルなロングボールから日本人FW堀越大蔵がサイド深く持ち込むとほぼ角度のないところから思い切りよくシュート。これがニアサイドのゴールポスト直撃で横浜FMは肝を冷やした。さらに数分後、左サイドバックのDF永戸勝也が担架で運び出される負傷交代でMF榊原彗悟の投入に。ケヴィン・マスカット監督はMF吉尾海夏を永戸の位置にシフトする配置転換とした。

　横浜FMは自陣に撤退するカヤFCに手を焼き、クロスにFW杉本健勇が飛び込むなど細かい崩しだけでない攻撃も見せたがなかなかゴール前を割れず。前半31分にはFW西村拓真が狭いスペースに入り込んでシュートを放つも、距離を詰めたGKに弾かれた。前半35分にはFW水沼宏太のヘディングがゴールに吸い込まれたがオフサイドの判定。際どいポジショニングでビデオ・アシスタント・レフェリー（VAR）による時間をかけたチェックが行われ、水沼がオンサイドだったためにゴールに判定が変わり1-0の先制点になった。

　大会公式データで前半のポゼッション率が81.5%を記録した横浜FMは、後半も相手を押し込む立ち上がりになった。しかし、徐々に攻め疲れとも言える状態を見せ始めた横浜FMは間延びした中盤を突破される場面が出始めた。後半19分には、堀越の突破をDF松原健が覚悟のイエローカードで止める場面も発生した。

　そうしたなかで後半27分、完全に押し込んだ状態で攻撃を繰り返した末、吉尾のクロスに杉本が頭1つ抜ける高さのヘディングでゴール。リードを2点差に広げて試合を安定させた。さらに後半アディショナルタイムにはFWアンデルソン・ロペスの追加点により3-0で勝利した横浜FMは勝ち点6に伸ばして、グループステージ突破に前進した。