浦和はACL浦項戦で0-2の完敗

　浦和レッズは10月24日にAFCチャンピオンズリーグ（ACL）グループステージ第3戦で浦項スティーラーズ（韓国）と戦い、0-2で敗れた。失点以上にファインセーブの多い展開にもなったGK西川周作は、「打たれる場所は大事にしているけど、より危険なところで打たれた」と、守備を切り崩された実感を話した。

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　立ち上がりから噛み合わない部分が多く出る中で前半22分、右サイドに入っていた髙橋が左サイドの前方まで相手ボールを追っていくと、がら空きになったスペースに展開され一気に前進を許した。そこからクロスを入れられ、FWチョン・ジェヒに合わせられて失点。後半4分には右サイドでのボールロストから逆サイドに展開されるカウンターで失点。後半から投入したDF酒井宏樹が高い位置まで攻撃参加した場面で、戻ることができないまま最後はそのスペースでフィニッシュを許してしまった。

　今季、J1で最少失点の浦和は4-4-2のゾーンディフェンスを機能させてきた。その中では、攻撃やプレスによって誰かが移動した際には、別の選手が入れ替わって役割を担っていくことが徹底されていた。しかし、このゲームはそれが遅れる場面が顔を出した。西川も「失点のところでは自分たちのポジショニングミスが重なってピンチになって、失点していると思う。誰が出ても同じ役割、チームとしての規律をやっていかないと未然に防ぐことは難しいと思う」と話した。

　また、失点以外の場面でも西川がファインセーブで難を逃れた場面は少なからずあった。前半はFWゼカの周囲を浦和の選手が囲みながらも突進され、ペナルティーエリア内からのシュートを西川が辛くもセーブ。後半にはDF岩波拓也とDFマリウス・ホイブラーテンの間からゼカにヘディングシュートを許し、至近距離からのボールに西川が何とか反応した。他にもカウンターから1対1を止めた場面に、ミドルシュートをはじき出した場面にと、西川の好プレーがなければ点差がさらに広がりかねなかった。

　今季の堅守ぶりからはあまり想像しづらいシュートシーンが多かったことについて、守護神は「打たれる場所は大事にしているけど、より危険なところで打たれるシーンは今シーズンあまりなかった。後半も危険なところで打たれているのが何本もあった。シュートを打たせる場所は、チームとしてもやっていかないといけない」と、ゴールを予感させるポジションからのシュートが多かったことには守備の機能性という点でも険しい表情だった。

　ここから浦和はリーグ戦の鹿島アントラーズ戦、ルヴァンカップ決勝とシーズンの中でもポイントになるゲームが続く。得点力不足を課題とされつつも失点の少なさで上位戦線、タイトル争いに残ってきた側面があるだけに、このゲームを機にその強みを再確認したいところだ。