川崎は福岡に4-2で勝利　途中出場のゴミスがアディショナルタイムに2アシスト

　川崎フロンターレは10月20日、J1リーグ第30節でアビスパ福岡と対戦し、4-2で勝利を収めた。アディショナルタイム（AT）に2得点を奪う劇的な展開となったなか、後半22分に途中投入された元フランス代表FWバフェティンビ・ゴミスがいずれのゴールも“ワールドクラスのアシスト”で御膳立てした。得点に絡んだチームメートたちは、ゴミスが披露したスキルを称えている。

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　前半20分に幸先良く先制点を奪うも、直後の同24分に失点を喫し、後半21分に逆転弾を奪われた直後、鬼木達監督はMF遠野大弥、FW宮代大聖、ゴミスの投入を決断。同34分にはFW小林悠も送り出して攻勢に出ると、同39分にその小林が同点弾を決め、試合を振り出しに戻す。そして2-2で迎えた後半アディショナルタイム、ゴミスがワールドクラスのプレーでホームスタジアムに歓喜を呼び込む。

　アディショナルタイム2分、右サイドから小林が鋭いクロスを放り込むと、ゴミスが相手DFを背負いながらも柔らかいタッチで後方へとボールを落とす。そこに走り込んだ遠野が豪快なボレー弾を叩き込み、勝ち越しゴールを記録。さらに、同5分、右サイドを突破したゴミスが絶妙なグラウンダーのクロスを相手GKとDFの間に供給し、ファーに詰めた宮代が押し込んで試合を決定付ける4得点目を奪った。

　アディショナルタイムに2アシストを記録したゴミスの活躍もあり、川崎は4-2で試合を制した。試合後、ゴミス本人は「チームの一員として勝利に貢献できて嬉しい」と軽やかなコメントを残していたが、得点に絡んだチームメートたちは大物助っ人外国人が披露したスキルに称賛の言葉を送っている。

　チームの3得点目の場面、小林のクロスはかなりスピードがあり対処するのに難しいボールではあったが、鮮やかなタッチを披露したゴミスに「背負ってポストプレーができるので、手前で落とすイメージで入れた」と、その高いスキルを信じているからこその強度だったと振り返ると、ゴミスのラストパスからゴールを記録した遠野は「バフェの落としが8割と言っても過言ではない」と感謝の意を示した。投入時には「監督から『バフェの近くでプレーするように』と言われていた」と、まさしく狙い通りの得点となった。

　4得点目のシーンについて、スコアラーの宮代は「最初はニアに走ろうと思ったが、ゴミスの意図がそっちではないなと察して、ニアに入ると見せかけてファーへ走った。イメージの共有ができた」と、ゴミスの持ち運び方から“メッセージ”を受け取ったという。「素晴らしいアシストをしてくれて、今までの選手とは違ったものを持っていると感じる。ああいった身体の大きい選手の足元の技術がしっかりしているというのは脅威になる」と語った。

　38歳という年齢もあって、決して運動量が豊富で、連続したハイプレスをかけることができるわけではない。スピードで裏抜けを狙うタイプでもない。しかし、屈強なフィジカルと繊細なボールタッチを活かしたポストプレーやチャンスメイクにおいては、欧州リーグで培った経験、アジアで示してきた迫力をこの日見事に垣間見せていた。