川崎FW遠野大弥が福岡に“恩返し弾” 今季初ゴールを生んだ助っ人との好連係「落としが8割と言っても過言ではない」
2-2で迎えた後半アディショナルタイムに遠野が勝ち越し弾
等々力陸上競技場を熱狂させるゴールとなった。J1リーグ第30節でホームに8位のアビスパ福岡を迎えた9位の川崎フロンターレは、試合終盤までアウェーチームにリードを許す展開だった。
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それでも後半39分にFW小林悠が相手の最終ラインの裏を取って同点ゴールを決める。そして迎えたアディショナルタイム2分、右サイドから小林が中央にボールを入れると、元フランス代表FWバフェティンビ・ゴミスが落とし、このボールをFW遠野大弥がボレーでゴールに叩き込んだ。
見事なゴールを決めた遠野は「バフェの落としが8割と言っても過言ではありません。僕は、ただ足を振るだけでした」と、アシストしたゴミスに感謝した。本人は「足を振るだけ」と表現したが、しっかり枠内に蹴りこむのは誰にでもできる芸当ではないだろう。「ちょっとバウンドしていたのですが、僕は得意なので振ることができました」と、冷静に振り返った。
冷静だったのは、ゴールを決めた直後も同じだった。等々力が歓喜に沸くなかで、今シーズンのリーグ戦初ゴールを決め、誰よりも嬉しいはずの遠野だったが、両手を挙げてノー・セレブレーションの意思を示した。2020年、福岡に期限付き移籍していた遠野は「喜びたい気持ちは山々でしたけれど、自分を育ててくれたチームだったので。察してください」と、笑顔を見せた。
1点をリードされた川崎の鬼木達監督は、ゴミス、遠野、さらに4点目を決めることになるFW宮代大聖のFW3枚を一気に投入した。全員がゴールに絡む活躍を見せたが、遠野は「入るときに『バフェの近くでプレーするように』と言われていたので、そこは心掛けました」と、監督の狙いを体現できたことに胸を張った。
川崎はタイに移動して、24日にはAFCアジアチャンピオンズリーグ(ACL)グループステージ第3節でBGパトゥム・ユナイテッドと対戦する。「逆転されて、流れが向こうに行った時間帯もあったのですが、途中から出た選手も、ピッチにいた選手もあきらめずにやった結果、こうなりました。本当に素晴らしい試合でした」と、遠野が振り返る一戦は、アジア制覇を目指すチームにとって大きな自信にもつながる試合になったはずだ。