森保ジャパン、“三笘不在”で見えた「左サイドの序列」 中村敬斗、旗手怜央の役割を考察【コラム】
10月シリーズはコンディション不良で三笘が不参加
森保一監督率いる日本代表は10月シリーズでカナダ代表(4-1)とチュニジア代表(2-0)に2連勝を飾った。今回はMF三笘薫がコンディション不良で不参加。左ウイングの候補となったMF中村敬斗はカナダ戦でゴールを決めて存在感を高めた。負傷した中村に代わってチュニジア戦で先発したのがMF旗手怜央。三笘の不在で見えた左サイドのポジション争いに注目する。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小杉舞)
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まず、カナダ戦で先発起用されたのが中村だった。この一戦では攻守に奮闘して、特に逆サイドMF伊東純也からのクロスに飛び込んだシーンではスタッド・ランスで磨いたコンビネーションを発揮。そして、国際Aマッチ4戦4発という驚異的な決定力を見せたゴールを決めた。
だが、その後相手を抜き去った際にファウルを受け、左足首を負傷。神戸で行われたチュニジア戦に向けても同行したが、今後の治療などはまだ不透明となっている。
そんな中村は代表チームで欠かせない決め切る力を持っている。短い合宿期間で招集されたのは今年から。それでも、すでに4ゴールを決めており、今後のワールドカップ(W杯)アジア予選、アジアカップで堅い守備相手に苦しい時間帯に一撃をモノにしたいとき必要な人材だ。
これまで自身でも「常に当落線上にいると思っている」と危機感を露わにしてきた中村だが、三笘が不在のなか評価を上げた。負傷の状況によるが、26人から23人に登録人数が減少するアジア予選やアジア杯でも残ってくるだろう。
さらに、中村が負傷したことで不在となった左サイドを埋めたのが旗手。先発したチュニジア戦では左サイドバック(SB)のDF中山雄太と序盤は連係が合わないところもあったが、川崎フロンターレ時代の元同僚MF守田英正からのパスに反応してサッカーIQの高さを見せた。
それでも、旗手がより生きるのは所属のセルティックでもプレーするインサイドハーフや、トップ下になってくる。左サイドで勝負するというよりは、さまざまなポジションを高いレベルでこなすことができるピースとして森保ジャパンに必要。アジアを戦い抜くうえで改めて、左サイドはコンディションにはよるが、三笘と中村が序列の上位にいることを示したシリーズとなった。