森保ジャパンが「最強布陣に近づいた」 英記者が脱帽した4人の顔ぶれ「信じがたい強さ」【コラム】
日本がチュニジアに2-0完勝、レベルアップする実力に英記者が熱視線
日本代表は、10月17日にチュニジア代表と対戦し、2-0で勝利した。かつてアジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ(W杯)を7大会連続で現地取材中の英国人記者マイケル・チャーチ氏は、国際Aマッチ6連勝を飾った森保ジャパンの強さに脱帽の声をあげている。
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これで6連勝。日本のこの圧倒的な強さはこれまで以上に揺るぎないものとなり、さらに勢いを増している。チュニジア戦では破壊的な攻撃力に加え、難攻不落の堅守を披露した。
前回対戦した2022年6月から、両チームは選手の顔ぶれだけでなく、展望も大きく変わった。森保一監督率いる日本はカタール・ワールドカップ(W杯)までの保守的な一面は消え去り、フレッシュな顔ぶれで格段にレベルアップしている。
この試合の日本はまさに圧倒的なパフォーマンスだった。先月のドイツ戦、あるいは大きな称賛を浴び、決勝トーナメントに進出した昨年末のカタールW杯のようなスマッシュ・アンド・グラブの要素はほとんど見られなかった。
チュニジア戦での日本は試合の主導権を握り、テンポをコントロールし、ポゼッションを独占していた。特に前半を通して森保ジャパンが優位に試合を進めており、先制点が前半終了間際に生まれたことが意外なくらいだった。
古橋亨梧のゴールは流れるような美しい展開や鋭い攻撃から生まれたものではなかったが、このゴールはチームのパフォーマンスについて多くを物語っていた。
なぜなら、このゴールは特に日本のハードワークと才能豊かな中盤から多くのものを享受した一方で、最終的に相手の守備をこじ開けたのは、プレッシングとそのプレスを受けたチュニジアの選手だったからだ。
古橋がチャンスを得たのは幸運だったが、彼は冷静かつ確実にそれをものにした。日本がリードを奪うのも当然の展開だった。ゴールは旗手怜央、守田英正、そして久保建英の働きによるところが大きかった。
なかでもレアル・ソシエダの久保は、中盤の一角で相手の大きな脅威となっていた。鎌田大地や堂安律、三笘薫といった多くの選手を欠いたチームというのが信じがたいほどの強さだった。
森保ジャパンが最強の布陣に一歩近づいたといってもいいだろう。菅原由勢、板倉滉、冨安健洋、中山雄太のバックラインは間違いなく日本最強の4バックだ。
彼らの前にいる遠藤航と守田はこのチームの頭脳であると同時に、チームに力強さをもたらしている。久保は成熟し、ボールを持った時に安心感がある。彼の視野の広さは、伊東純也の2点目を演出した。
日本は圧倒的な優勝候補としてカタールに乗り込む
旗手は特長こそ異なるが、三笘の代役として十分なパフォーマンスを披露していた。三笘はそのスピードとボールを持った時のプレーでディフェンダーを悩ませるが、旗手はインテリジェンスと中央に入ってポジションを変える動きで相手を惑わせる。彼のパスレンジの広さも印象的だった。
すべてが完璧だったわけではない。伊東はいつものような活気を欠いていたし、古橋は納得のいく出来ではなかった。古橋はセルティックでは好調にもかかわらず、森保監督からの信頼を勝ち取れていないのも不思議ではない。
来月、大阪で行われるミャンマー戦は、新たなサイクルを迎えた森保ジャパンにとって最初のW杯予選となり、勝利は間違いないだろう。前回の対戦で日本は10-0の大勝を収めており、同様の結果になる可能性は十分にあるだろう。
森保監督がこの試合にファーストチョイスの選手全員を招集する価値を見出すかどうかは議論の余地があるだろうが、アジアカップは目前に迫っている。日本は圧倒的な優勝候補としてカタールに乗り込むことが確実なサッカーを披露している。
マイケル・チャーチ
アジアサッカーを幅広くカバーし、25年以上ジャーナリストとして活動する英国人ジャーナリスト。アジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ6大会連続で取材。日本代表や日本サッカー界の動向も長年追っている。現在はコラムニストとしても執筆。