浦和DF荻原拓也、試合後に涙の訳 ルヴァン準決勝ホーム戦に懸けた思い「いつも以上に強い気持ちを思って…」

浦和の荻原拓也【写真:Getty Images】
浦和の荻原拓也【写真:Getty Images】

ルヴァン準決勝第2戦、荻原がゴールに絡み2-0の勝利を飾る

 浦和レッズのDF荻原拓也は、10月15日のルヴァンカップ(杯)準決勝第2戦の横浜F・マリノス戦にスタメン出場。11日の初戦でPKを与えてしまったところから挽回して2ゴールに絡み、試合後のインタビューでは涙を滲ませた。

 荻原は浦和の下部組織出身で2018年にトップ昇格。同期には現在ベルギーでプレーする日本代表DF橋岡大樹がいる。公式戦デビューとなったゲームで2ゴールするスタートだったが、出場機会を求めて20年夏から期限付き移籍して2クラブでプレーし、今季に浦和へ復帰した。ポジション争いもしながらだが、左サイドバックの貴重な戦力になっている。

 その荻原は11日の初戦、アウェーゲームで逆サイドからのクロスに対応した際に痛恨のハンド。これが相手の決勝点となるPKになってしまった。第2戦はホームで2戦合計0-1からのスタートだったが、荻原はサイドから力強いプレーを見せた。前半15分にはFWホセ・カンテに正確なクロスを供給し、ボールを収めたカンテが横パスした先にいたMF早川隼平のシュートがゴールに吸い込まれた。これは早川のポジションが際どいオフサイドで幻のゴールになったが、後半16分には荻原のクロスをGK一森純が弾いたボールに早川が反応。中央に持ち出したところを背後から永戸が倒してPKの判定になった。

 荻原はこのクロスについて「体勢が流れて見えていなかったので、取りあえずファーサイドにチップ気味に出して上げようと思った。GKが弾いて、たまたま良い所にこぼれた。ただ、あのようなシーンを数多く出せたのが、結果につながったし、幻のゴールもしっかりと攻撃参加して起点になれた」と振り返る。

 そして後半43分には左サイドからのラストパスが相手DF實藤友紀の腕にボールがヒット。当初はノーファウルだったが、横浜FMがカウンターに出るところでビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)のコールでレフェリーがゲームを止めてオンフィールドレビューが実施されてPKに。荻原は「特に中を見てなかった。感覚じゃないけど、チップ気味に上げたら相手の手に当たったんで、結果的にPKのチャンスを作ることができて良かった。相手のカウンター中にプレーが止まったので、ほぼ確定演出が流れているような感じでPKだなと思った」と話した。2本のPKはいずれもDFアレクサンダー・ショルツが決め、浦和は2戦合計2-1と逆転して決勝へ進出した。

 2得点に絡んだ荻原は場内のインタビューに呼ばれたが、その途中で涙が滲んだ。その高ぶった感情が落ち着いてからの取材対応では少し照れながら、「ちょっと、チョチョぎれましたけど(笑)。なんだろう、分からないけど、まだこれからあと一個勝たないと何も意味がない。ただ、すごい自分のなかで、いつも以上に強い気持ちを思ってプレーをしていたので、それがチョチョぎれる要因でしたね」と話した。試合中についても「2点目を決めた時も正直、スタジアム全体が作り出す雰囲気にうるっときましたね。まだ試合が終わっていないのに。高ぶってくる気持ちがありましたね」と、ホームゲームでの逆転劇に心が揺さぶられていた。

 強気な仕掛けと、この日の2得点を導いた言葉からもあるように感覚とタイミングでクロスを上げるプレーは相手に脅威を与える。プロのキャリアは6年目だが、まだ23歳。こうした酸いも甘いも知っていくような経験を積みながら、さらなる成長を見せていきそうだ。

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