日本サッカーが「至るところで花開く」 A代表、U-22代表…若手台頭の好循環サイクルに海外注目

日本代表の強さにアジア各国も注目【写真:徳原隆元】
日本代表の強さにアジア各国も注目【写真:徳原隆元】

日本は22歳以下、大学生10人のメンバー構成でアジア大会男子サッカーで銀メダル

 森保一監督率いる日本代表は10月13日に国際親善試合のカナダ戦に臨み、前半だけで3-0と圧倒し、最終的に4-1の勝利を収めた。台湾のサッカー専門サイト「GoGoal」は、「日本の今日の成功は、育成方針を貫いたおかげ。多くのアジア諸国はうらやみ、学ぶべき点だ」と取り上げている。

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 日本はMF三笘薫(ブライトン)が体調不良で招集を辞退し、MF久保建英(レアル・ソシエダ)もベンチスタートのまま出番は訪れなかったなか、開始2分に右サイドから崩し、こぼれ球に反応したMF田中碧(デュッセルドルフ)のミドルシュートが決まり幸先良く先制した。

 その後、GK大迫敬介(サンフレッチェ広島)が相手を倒してPKを献上するも自らPKをストップ。前半39分にはFW浅野拓磨(ボーフム)にボールを渡し、中央へのパスにMF南野拓実(ASモナコ)は追い付かなかったものの相手のミスを誘ってオウンゴール。さらに前半42分、浅野がドリブル突破からペナルティーエリア内でMF中村敬斗(スタッド・ランス)にラストパスを出すと、冷静に中村が蹴り込み3-0とリードを広げた。

 日本の勢いは衰えず、後半4分にも田中が右足ボレーで蹴り込んでこの日2点目。終盤に1点を返されたものの、4-1と勝利を収めた。

 昨年のカタール・ワールドカップ(W杯)後、3月から再始動した日本代表はここまで7試合を戦い、5勝1分1敗の戦績を残している。

3月24日:△1-1/ウルグアイ(国立競技場)
3月28日:●1-2/コロンビア(ヨドコウ桜スタジアム)
6月15日:〇6-0/エルサルバドル(豊田スタジアム)
6月20日:〇4-1/ペルー(パナソニックスタジアム吹田)
9月9日:○4-1/ドイツ(ヴォルフスブルク/フォルクスワーゲン・アレーナ/ドイツ)
9月12日:〇4-2/トルコ(ゲンク/セゲカ・アレーナ/ベルギー)
10月13日:○4-1/カナダ(デンカビッグスワンスタジアム)

 台湾のサッカー専門サイト「GoGoal」は、「育成体制下の日本サッカーが至るところで花開く」と見出しを打ち、まずは中国・杭州で行われたアジア競技大会を例に、日本サッカー界を分析している。

「日本はアジア大会で男子、女子ともに他国よりも若いメンバーで臨んだが、女子は金メダル、男子も(優勝まで)あと一歩の銀メダルだった。男子の決勝戦、韓国はMFイ・ガンインを筆頭に欧州組、MFペク・スンホらオーバーエイジもいたが、日本相手を2-1の辛勝にとどまった。日本の今日の成功は、全国で育成方針を貫いたおかげ。この点は多くのアジア諸国はうらやみ、学ぶべき点だ」

日本の高校や大学のレベルは「とても高く、プロチームと大差ない」

 記事では、特にアジア大会の日本男子が22歳以下で構成し、オーバーエイジなし、10人が大学生だったことにフォーカスしている。

「筑波大、拓殖大、福岡大、法政大、鹿屋体育大、流通経済大……。大学生がプロを下回るわけでもなく、日本サッカーの恐ろしさを感じる。アジア大会の日本男子は高校から直接プロ入りした者もいれば、(Jクラブの)下部組織から大学に行った者、大学からプロ入りした者、大学でプレーする者、学生から直接欧州に行った者たちがいる。日本サッカーの秘訣はここにあり、日本の高校や大学のレベルはとても高く、プロチームと大差ない。違いは指導者のレベルと、トレーニング内容だ」

 特に目を引いたのは指導者に関する環境のようで、記事では「指導者には一定のレベルが求められる。日本のコーチはS、A、B、C、Dのクラスに分かれ、プロクラブの監督にはS級ライセンスが必要だ。A級はプロクラブのアシスタントコーチ、または高校の監督になれる。B、C、Dは中学以下の青少年クラブか学校で指導できる。児童の発掘のために、日本は4歳以下の子供向けのライセンスもある。日本の高校や大学の指導者はA級ライセンスがいる。この点はアジア諸国と比較にならない。日本のライセンスは、過去の経歴にかかわらず、みんなに門戸が開かれている。サッカーの基礎がなくとも可能。技術と理論の部分に分かれている。理論はより教育寄りのもので、青少年の心身の成長を理解し、相応の教え方が必要。その核心は『PLAYERS FIRST』だ」と続けている。

 日本サッカー協会(JFA)は2050年までのW杯優勝を目標に掲げているが、森保ジャパン、そして年代別代表の強さの秘密は、育成にあると考えているようだ。

(FOOTBALL ZONE編集部)



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