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“サッカーオタクギャル”から磐田クラブアンバサダーへ “FIFA公認美女”SHONOのシンデレラストーリー【インタビュー】
サッカー好きだった両親の“英才教育”を受けて戦術的観戦術も習得
Jリーグの各クラブには応援番組MCやピッチレポーター、公式アンバサダーなど、さまざまな形でサッカーシーンを盛り上げる女性たちがいる。2022年のカタール・ワールドカップ(W杯)で国際サッカー連盟(FIFA)の国際映像に映り、「話題の美女」として大バズりしたタレントのSHONOさんも、今年からJ2ジュビロ磐田のクラブアンバサダーを務める。そんな彼女がジュビロ磐田に寄せる思い、そしてクラブアンバサダーとして目指す“未来”について訊いた。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小田智史/全4回の1回目)
◇ ◇ ◇
1980年代からW杯をテレビ観戦し、自らも友人たちと草サッカーをしていたという父親と、サッカー好きの母親の間に生まれたSHONOさん。サッカーを最初に観た記憶ははっきりとはないものの、幼少期からジュビロ磐田の試合に触れるようになるのは必然だった。
「お父さんとお母さんがジュビロ磐田のファンだったのが大きいと思います。私は1994年生まれなんですが、その年からジュビロ磐田は(JFLから昇格して)Jリーグを戦い始めたので、たぶん赤ちゃんのことからスタジアムに連れていってもらっていたと思います。お父さん、お母さんも正確には覚えていません(笑)。お父さんは私が小学生くらいまでは草サッカーをやっていて、(元アルゼンチン代表MFディエゴ・)マラドーナや(元コロンビア代表MFカルロス・)バルデラマが活躍していた頃からW杯をテレビで観ていたと言っていたので、本当にサッカーを観るのが好きなんだと思います。お母さんも(ジュビロ磐田で活躍した元日本代表MF)福西(崇史)さんのファンだったので、子供の頃は、『サインもらってきて!』と行かされるのが毎回福西さんでした(笑)。
私が小学1年、2年生くらいの時に磐田は黄金期で、『今日は何点取って勝てるんだろう』みたいなテンションでスタジアムに行っていました。当時は海外サッカーのことも分かっていなかったので、ジュビロ磐田が世界で一番強いサッカーチームだと思っていました(笑)。人生で初めてユニフォームを着ている写真は福西さんのものでしたし、実家には福西さんのサインボールがあります。私も必然的に福西さんを好きになりました」
大のサッカー好きである家族の下で、SHONOさんのサッカーを観る目は肥えていった。愛読書は「アンチェロッティの完全戦術論」と公言するほどで、ボールホルダーだけでなく、ピッチ全体の動きにも目を配っている。
「私が一番好きなプレーはスルーパス。シュートシーン、ゴールシーンはもちろん好きなんですけど、『こんなところにこんなパスを通せるの?』みたいなプレーが一番ワクワクします。だから、中盤の選手を好きになることが多いですね。小さい頃、家族でW杯の試合をテレビで観ていると、お父さんが『今のパスは上手かった』とか言うと、『なるほど』とゴール以外のプレーも細かく気にするようになりました。お父さんの影響が大きいと思います。ボールを持っている人だけを観るのではなく、オフ・ザ・ボールの動きも結構見ています。ここにパスを出したら、こっちはどう動くのかとか、守備の動きも見るのは好きですね。学生時代、周りの子が携帯小説とか読んでいる時に私は(元スウェーデン代表FW)ズラタン・イブラヒモビッチの自伝をずっと読んでいましたし、サッカーの本しか読んだことがないかもしれません(笑)」
「人生で一番の親孝行」になったジュビロ磐田のクラブアンバサダー就任
SHONOさんと言えば、2022年のカタールW杯グループリーグ第1戦日本代表対ドイツ代表を現地で観戦中にFIFAの国際映像にわずか6秒間映り込んだことで「美しすぎる女神」と世界中で話題となった。W杯前には2万人だったSNSのフォロワーが14万人に激増。文字通りの大ブレイクには、「自分の一番好きなことでバズれて光栄というか、こんなことって本当にあるんだって(笑)」と今でも驚きを隠せない。
「W杯でバズってからサッカーのお仕事をさせていただくことが増えました。私は単なるファンというか、“サッカーオタクギャル”みたいな身だったので(笑)、日本代表で活躍された北澤(豪)さんや槙野(智章)さんと会って話せるなんて、まるで夢のよう。人生が大きく変わりました。音楽関係でサッカーが好きな友達は連絡をくれたりしますけど、モデルさんとかタレントさんよりも私の中ではサッカー選手が一番のアイドル。『女優さんに会える!』というよりは、サッカー選手や解説者の方に会う時にすごくテンションが上がります(笑)」
カタールW杯の“大バズり効果”もあって、SHONOさんは小さい頃から応援してきたジュビロ磐田の「ジュビロクラブアンバサダー」に今年から就任。公式発表まで両親には内緒にしていたというが、「これまでの人生で一番の親孝行だと思います」と笑顔を覗かせる。
「お父さんとお母さんはすごく喜んでいました。クラブアンバサダー就任式の時は、(本拠地である)ヤマハスタジアムのピッチでキックインセレモニーをやらせていただいたんですけど、家族のほかに、お父さんが昔一緒にジュビロ磐田の試合を見に行ってた友達とか総出で来てくれて。まさか娘がヤマハスタジアムのピッチでキックインセレモニーなんてすると思ってなかったから、大喜びでした。『お前は次いつヤマハに来るんだ』とよく聞いてきます(笑)」
1年でのJ1復帰に向けてエール「もう一度J1で強さを見せつけてほしい」
J1リーグ優勝3回(1997、1999、2002年)、現ルヴァンカップ優勝2回(1998、2010年)、天皇杯優勝1回(2003年)を誇るジュビロ磐田も昨季3回目のJ2降格を経験し、現在はプレーオフ出場圏内のリーグ4位と1年でのJ1昇格を懸けて激しい上位争いを繰り広げている。SHONOさんは期待の選手に、チーム2位の7ゴールを記録しているルーキーFW後藤啓介を挙げる。
「ジュビロ磐田がJ2に降格した時、『そんなジュビロ磐田は見たくない』と思ったことも正直ありましたけど、それでも毎試合ずっと見て応援しているので、苦しい時期が続いたとしても離れることはない、私にとって不可欠なチームです。後藤選手は身長192センチの18歳。高校生なので身体の線はまだ細いんですけど、気持ちの強さ、熱が凄い。開幕戦(ファジアーノ岡山戦/2-3)で2点取って、サポーターの方たちも特に期待していて、あの(元日本代表FW)前田遼一さんのチャントを後藤くんに引き継いだり、私も注目しています。大物感が漂う堂々としたプレーを見せてくれているので、海外クラブに引き抜かれたらどうしようって今から心配しています(笑)」
黄金期を知るSHONOさんは、「J1昇格を果たしてもう一度J1で強さを見せつけてほしい」とジュビロ磐田にエールを送る。
「私の抱いているイメージでは、ジュビロ磐田では近年、ドリブラーで活躍する選手が少ない気がするので、古川(陽介)選手は久しぶりにイケイケドリブラータイプですごく嬉しいです。古川選手は中に切れ込むこともできるし、外に張ることもできるし、左サイドバックの松原(后)選手との相性はかなりいいと思うので、スタメン出場でもっと見たいところです。ベテランの山田(大記)選手、大津(祐樹)選手はすごく面倒見が良さそうというか、後輩から慕われそうなタイプ。遠藤(保仁)選手もいて、チーム内の雰囲気はいいんじゃないかなとは思います」
ジュビロ磐田への愛が尽きないSHONOさんが、クラブアンバサダーとして伝えていきたいこととは――。
「やりたいことはたくさんあります。でも、昔に比べると今はサッカー番組が減ってしまったり、日本代表人気とかと比べると、クラブレベルでは難しさを感じることもあります。初めてサッカーを見る人にとって、スタジアムに足を運ぶのが結構ハードルが高かったりすると思うんです。でも、ヤマハスタジアムはサッカー専用スタジアムで、選手との距離も近い。ああいうサッカー専用スタジアムで一回サッカーを見て、しかも試合に勝って、すごく楽しいという体験すると、絶対ハマると思うんです。だから、足を運んでもらうために、アンバサダーとしてスタジアムの魅力を広げていきたいなと思います。夢は大きく、サッカー界全体のアンバサダーみたいな役割をしていきたいです!」
[プロフィール]
SHONO(しょーの)/1994年生まれ、静岡県出身。タレントとして活動し、東京発ガールズバンド「PARADOXX」のドラムも務める。幼少期の頃から家族とジュビロ磐田の試合を見に行っていたことがきっかけで、熱狂的なサッカーファンへ。2022年のカタールW杯の国際映像に映ったことをきっかけに大ブレイクし、2023年からは「ジュビロクラブアンバサダー」に就任した。「レアル・マドリードとジュビロ磐田とB’zとグティで生きてます」と公言。