三笘世代の“ファンタジスタ”は「ワクワクするし、見ていて面白い」 日本代表OBが招集熱望「チャンスを与えてほしい」【見解】

シント=トロイデンの伊藤涼太郎【写真:Getty Images】
シント=トロイデンの伊藤涼太郎【写真:Getty Images】

【専門家の目|金田喜稔】MF伊藤涼太郎を称賛「期待を抱かずにはいられない」

 森保一監督率いる日本代表(FIFAランキング19位)は、10月13日に新潟・デンカビッグスワンスタジアムでカナダ代表(同44位)と対戦し、4-1で快勝。17日には兵庫・ノエビアスタジアム神戸でチュニジア代表(同29位)と戦う。「天才ドリブラー」として1970年代から80年代にかけて活躍し、解説者として長年にわたって日本代表を追い続ける金田喜稔氏は、「日本代表でチャンスを与えてほしい選手の1人」としてベルギー1部シント=トロイデンに在籍するMF伊藤涼太郎の名前を挙げ、「『今の日本代表の中盤にいたら、どんなプレーをするんだろう?』と思わせてくれる」と期待を寄せている。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)

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「個人的に、こういうプレーがつながったら面白いだろうなという攻撃のイメージがある。そのなかで注目しているのは伊藤涼太郎だ。攻撃性能が高く、何よりイマジネーションあふれるプレーには期待を抱かずにはいられない」

 金田氏が代表招集を望む1人として名前を挙げたのは、今夏にシント=トロイデンへ移籍した25歳のファンタジスタだった。

 MF三笘薫(ブライアン)と同学年の伊藤は、作陽高校から2016年に浦和レッズへ加入。17年に水戸ホーリーホック、19年に大分トリニータへの育成型期限付き移籍を経て、20年に浦和に復帰した。しかし、十分な出場機会を得られないまま21年夏に水戸へ2度目のレンタル。22年にアルビレックス新潟へ完全移籍すると、その才能が一気に開花し、J2リーグ戦42試合で9ゴールをマークした。

 23年にはJ1リーグ前半戦で17試合に出場し、7ゴールと存在感を示してベルギーへ移籍。シント=トロイデンでは、今季ここまでリーグ戦10試合を終えて9試合に出場すると、1ゴール1アシストをマークしている。日本代表とはこれまで縁がなかった伊藤だが、金田氏は招集を待ち望んでいるという。

「シント=トロイデンで、ゴールやアシストなど目に見える結果も徐々に残し始めている。彼のポテンシャルと伸びしろを考えると、代表でチャンスを与えてほしい選手の1人。彼のプレーは単純にワクワクするし、見ていて面白い。『今の日本代表の中盤にいたら、どんなプレーをするんだろう?』と思わせてくれる」

 大きな期待を寄せる一方、伊藤の課題も指摘する金田氏。日本代表入りに向けてクリアすべき条件にも触れている。

「課題は明確で、フィジカルとディフェンス力。森保ジャパンでコンスタントに招集されるために何が足りないのかは、本人も分かっているはず。今、日本代表にいるメンバーも、そのあたりの条件をクリアしたうえで、個人として何ができるか、何をチームに上乗せできるかという高い水準にある」

 三笘世代のファンタジスタの才能を高く評価する金田氏は、「海外で研鑽を積み着実に成長を遂げているはずで、個人的には頑張ってほしいと強く思っている」と力を込めていた。

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金田喜稔

かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。

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